ゲノム間の差異
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/20 18:06 UTC 版)
ゲノムのGC含量は生物種によって異なり、進化過程における選択の差異、突然変異の偏り、組換えと関連したDNA修復時の偏りによって引き起こされると考えられている。 ヒトゲノムの100kb断片のGC含量は35%から60%であり、平均値は41%である。出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)は38%、他の一般的なモデル生物であるシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)は36%である。遺伝暗号の性質のため、GC含量が0%や100%に近いゲノムを持つ生物は事実上不可能である。しかし、マラリア原虫Plasmodium falciparumは極端ににGC含量が低く(約20%)、AT含量が多い(つまりGC含量が少ない)生物としてしばしば言及される。 哺乳類のいくつかの種(トガリネズミ、ココウモリ、テンレック、ウサギなど)は、ゲノムのGC含量の顕著な増加が独立に生じている。こうしたGC含量の変化は、種の生活史に関する形質(体重や寿命など)やゲノムサイズと相関しており、GC-biased gene conversion(GCに偏った遺伝子変換(英語版))と呼ばれる分子的現象と関係している可能性がある。
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