ケンプラーのばら飾り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/28 06:07 UTC 版)
「ピアスンのパペッティア人」の記事における「ケンプラーのばら飾り」の解説
パペッティア人の母星は、人口増加と極端な文明化のため、自分たちの星系を大改造しなければならなくなった。 その1つとして、文明活動の廃棄熱による温暖化を避けるため、母星を主星から遠ざけた。廃熱の増加と、さらには主星が赤色巨星化したことにより、距離は徐々に増し、主星から0.1光年、太陽系でいえば オールトの雲のあたりまで遠ざかった。 さらに、母星の移動と同時進行して、まず星系内の他の2惑星、ついでさらに2惑星(計4惑星)を母星の近くに移動させ、テラフォーミングによって「農業惑星」に変えた。主星とこれらの惑星は、正五角形の頂点の位置関係を保ったまま互いの周りを公転する「ケンプラーのばら飾り(ローゼット) (Kemplerer rosette)」に配置された。 ただし、この語には問題がある。『リングワールド』では、正多角形の頂点に配置された等質量の天体からなる系が「ケンプラーのばら飾り」とされている。このような系が平衡である(ただし安定ではない)のは事実だが、「ケンプラー」はミススペルであり、しかも意味も異なる。 正しくはクレンペラーのバラ飾り (Klemperer rosette) で、N種類の質量の天体N×M個 (N, M ≧ 2) からなる系であり、1962年にW・B・クレンペラーにより平衡だと示された。それに対し、『リングワールド』での意味は N = 1, M ≧ 3 の場合に当たり、これはクレンペラー以前から知られていた平衡解である。 さらに、ミススペルの Kemplerer は普通に読めば「ケンプレラー」などとなろうが、早川書房が1985年に発行した日本語版では、それとも「クレンペラー」とも異なる「ケンプラー」と訳されている。
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