ケアリング理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/16 03:00 UTC 版)
ワトソンはヒューマン・ケアリングという理論を提唱した。2008年にNPO、Watson Caring Science Instituteを設立した。ヒューマン・ケアリングは、よりホリスティック(全体観的)なケアを指向している。すなわち、医学的な方法によって患者のケア・治療を行うだけでは十分ではない。大切なことは、患者にもっと関心をもち、深い人間関係を築くこと。そうしてはじめて効果的かつ持続的なケアが可能になる。ワトソンの理論は、トランスパーソナル心理学のパイオニアたち、アブラハム・マズロー、カール・ロジャーズ、ピエール・テイヤール・ド・シャルダンらから影響を受けている。ワトソンにとって、トランスパーソナルとは個人対個人の人間関係である。看護師の存在が患者に変化をもたらし、患者の存在によって看護師も変化する。両者は対等であると同時に連帯感で結ばれている。ヒューマン・ケアリングの柱となる4つのコンセプトは、健康、環境または社会、看護そして人間である。 健康:精神と肉体そして魂がバラバラでないこと。そのためには他人から見える自分と、自分が見る自分のイメージが一致していること。 社会:社会が個人に求めるもの。個人が社会のためになすべきこと。 看護:科学としてのヒューマン・ケアリング。患者ケアを行う者と、ケアを受ける患者との相互作用。 人間:価値があり、尊敬され、ケアされるべき存在。本来は完全に健康であるべき存在。
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