クックチルとセントラルキッチン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 15:17 UTC 版)
「給食」の記事における「クックチルとセントラルキッチン」の解説
現在では人件費の削減を主な理由として、クックチル方式が普及し始めている。調理済みの食品を急速冷凍して保管し、配膳の際に解凍するというものである。調理を食事の時間に合わせる必要がないため、集中的に調理を行うことで、より少ない人数での調理が可能となる。また調理直後に急速に冷凍を行うことで、細菌の繁殖しやすい温度帯を速やかに通過させ、食中毒の発生を抑えるという効果がある。 クックチルには冷凍された食事をスチームコンベクションオーブンなどで加温した上で適温配膳車を用いて配膳するクックチルと、冷凍状態のまま盛り付けを行いヒーター等の熱源を内蔵した再加熱カート(病棟まで食事を運ぶ配膳車)で直接加温を行うニュークックチルがある。クックチルは従来の厨房に冷却と保管を行う設備を追加するだけで実現が可能だが、加温後の配膳となるため、配膳に時間がかかれば細菌の繁殖を許してしまうことになるので、ニュークックチルと比較すれば食中毒発生のリスクが高い。ニュークックチルでは導入コストは高くつくものの、食中毒発生のリスクや人件費をより低く抑えることができる。 特に一箇所で集中調理を行うセントラルキッチン方式はこのクックチルと相性がよく、セントラルキッチンで調理され冷凍された食事を各病院に必要数配送し、各病院で解凍と配膳を行えば、病院側で調理に必要な設備や人員を用意する必要もなくなり、大幅なコストダウンが可能になる。 またセントラルキッチン方式では、HACCPによる衛生管理を行うことで食中毒発生のリスクをより低減させることが可能というメリットもある。
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