クサアジ科とは? わかりやすく解説

クサアジ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/01 00:05 UTC 版)

クサアジ科
ヒメクサアジ Metavelifer multiradiatus
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: アカマンボウ目 Lampriformes
: クサアジ科 Veliferidae
英名
Velifers
下位分類
本文参照

クサアジ科学名Veliferidae)は、アカマンボウ目に所属する魚類の分類群の一つ。底生魚であるクサアジヒメクサアジのみ、2属2種が記載される[1]。科名の由来は、ラテン語の「velum(帆)」と「fero(持つ)」から[2]

分布・生態

クサアジ科の魚類はいずれも海水魚で、インド洋から西部太平洋にかけての温暖な海に分布する[1]海底付近を遊泳して生活する底生性の魚類であり、沿岸域から大陸棚大陸斜面あるいは海嶺を主な生息範囲とする[2]

ごくまれに底引き網混獲されるが[3]、本科魚類の生態についてはほとんどわかっていない。

形態

クサアジ科の仲間は体高が高く、著しく左右に平たい側扁した体型をもつ[1]。クサアジは最大で全長40cm、ヒメクサアジは28cmにまで成長する[2]。歯をもたない。浮き袋は後方で二股に分岐し、後端の位置は肛門を大きく越える[1]

背鰭と臀鰭の基底は長く、棘条(真の棘条ではない)と軟条を合わせてそれぞれ32-44本および25-35本の鰭条で構成される[1]。クサアジは全体的に長い背鰭鰭条をもつ一方、ヒメクサアジは第6鰭条のみが伸長し、両者の鑑別点の一つとなっている[3]。腹鰭は7-9軟条で、棘条様の鰭条をもたない。鰓条骨は6本、椎骨は33-34個[1]

分類

Veronavelifer sorbinii の想像図。本種はヒメクサアジ属と近縁の絶滅種で、イタリア北部の地層から化石が出土している[1]

クサアジ科にはNelson(2016)の体系において2属2種が認められている[1]イタリアおよびデンマークにおける始新世地層から、ヒメクサアジ属に近縁の Veronavelifer 属、Palaeocentrotus 属の化石が見つかっている(後者は独自のとして分類される)[1]

出典・脚注

  1. ^ a b c d e f g h i 『Fishes of the World Fifth Edition』 pp.279-280
  2. ^ a b c Veliferidae”. FishBase. 2025年4月1日閲覧。
  3. ^ a b 『日本の海水魚』 p.120

参考文献

外部リンク


クサアジ科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 22:44 UTC 版)

アカマンボウ目」の記事における「クサアジ科」の解説

クサアジ科 Veliferidae はクサアジ・ヒメクサアジのみ、2属2種を含む。インド洋西部太平洋分布し大陸棚から沿岸付近にかけての底部生活する体長40cmほどになる。 体高高く、体は左右に平べったく側扁する。背鰭臀鰭は非常に大きく腹鰭鰭条7-9本。2種背鰭形態により区別される。歯をもたない始新世絶滅属として Veronavelifer 属が知られイタリア北部から化石産出している。 クサアジ属 Velifer ヒメクサアジ属 Metavelifer

※この「クサアジ科」の解説は、「アカマンボウ目」の解説の一部です。
「クサアジ科」を含む「アカマンボウ目」の記事については、「アカマンボウ目」の概要を参照ください。

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