ギャグの寿命
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 17:00 UTC 版)
人間の営みの滑稽さを表現する喜劇、落語などの笑いと違い、ギャグの寿命は大抵の場合非常に短い。時事問題を扱うギャグは、その時事問題が忘れられるに従い、面白さの熱は急速に冷めてしまう。また、言葉によるギャグは時として流行語にもなるが、繰り返し人の口に上るに連れ、結局のところ急速に飽きられてしまう運命にある。かつて吉本興業で役員を務めた横澤彪も芸人がギャグでウケを取ろうとする風潮を良しとしておらず、横澤の吉本入りを祝福するために新ギャグを披露した松村邦洋に対して「ギャグはね、ギャグに生きるとギャグに死ぬから言わない」と冷たくあしらった。これは、ギャグに頼って人を笑わせようとする芸人は本来求められる芸のセンスが磨かれないため、ギャグのネタが尽きればすぐに飽きられて捨て去られていくという意味であり、現在で云う「一発屋芸人」への横澤流の警鐘であるとも言える。ただし、所作を伴うギャグには再現の難しいものもあり、そのようなギャグは長く支持される場合もある。また、短期に飽きられたギャグは、相当年が経過すると流行した時代・世相を回顧する役割として機能する場合もある。
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