キタサマイシン【Kitasamycin】
読み方:きたさまいしん
キタサマイシン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 02:55 UTC 版)
キタサマイシン(kitasamycin)とは、16員環マクロライド系抗菌薬の化合物群である。単一の化合物ではなく、複数のマクロライド系抗菌薬であるロイコマイシン類の混合物である。
注釈
- ^ ロイコマイシン類には、他にも、ロイコマイシンU、ロイコマイシンVなどが存在する。
- ^ ヒトに対する病原性は知られていない。本表には参考程度に記載した。
- ^ 厚い莢膜を有す。莢膜は免疫細胞からの攻撃に対する防御に役立つ。
- ^ キタサマイシン
- ^ 抗生物質と抗菌薬は、厳密には異なる。抗生物質とは、人工合成の化合物ではなく、微生物が産生する天然物であり、他の微生物の発育を妨げる化合物群である。参考までに、抗生物質に当たる化合物群を、医薬品の分類で見ると、抗菌薬、抗真菌薬、抗ガン剤などに跨る。これに対して、抗菌薬とは、天然物・半合成・人工合成に関わらず、細菌に対して毒性を有しており、細菌の活動を抑えたり、細菌を殺す化合物群である。したがって、それぞれの化合物群の集合は、必要条件も充分条件も満たさず、イコールで結べない。
出典
- ^ a b c d e f g 上野 芳夫・大村 智 監修、田中 晴雄・土屋 友房 編集 『微生物薬品化学(改訂第4版)』 p.217 南江堂 2003年4月15日発行 ISBN 4-524-40179-2
- ^ 上野 芳夫・大村 智 監修、田中 晴雄・土屋 友房 編集 『微生物薬品化学(改訂第4版)』 p.216 南江堂 2003年4月15日発行 ISBN 4-524-40179-2
- ^ a b 田中 信男・中村 昭四郎 『抗生物質大要―化学と生物活性(第3版増補)』 p.114 東京大学出版会 1984年10月25日発行 ISBN 4-13-062020-7
- ^ 上野 芳夫・大村 智 監修、田中 晴雄・土屋 友房 編集 『微生物薬品化学(改訂第4版)』 p.310 南江堂 2003年4月15日発行 ISBN 4-524-40179-2
- ^ 上野 芳夫・大村 智 監修、田中 晴雄・土屋 友房 編集 『微生物薬品化学(改訂第4版)』 p.312、p.313 南江堂 2003年4月15日発行 ISBN 4-524-40179-2。 および、田中 信男・中村 昭四郎 『抗生物質大要―化学と生物活性(第3版増補)』 p.122、p.123 東京大学出版会 1984年10月25日発行 ISBN 4-13-062020-7。
- ^ 上野 芳夫・大村 智 監修、田中 晴雄・土屋 友房 編集 『微生物薬品化学(改訂第4版)』 p.313 南江堂 2003年4月15日発行 ISBN 4-524-40179-2
- ^ 田中 信男・中村 昭四郎 『抗生物質大要―化学と生物活性(第3版増補)』 p.109 東京大学出版会 1984年10月25日発行 ISBN 4-13-062020-7
- ^ 上野 芳夫・大村 智 監修、田中 晴雄・土屋 友房 編集 『微生物薬品化学(改訂第4版)』 p.164、p.165 南江堂 2003年4月15日発行 ISBN 4-524-40179-2
- ^ a b c 田中 信男・中村 昭四郎 『抗生物質大要―化学と生物活性(第3版増補)』 p.250 東京大学出版会 1984年10月25日発行 ISBN 4-13-062020-7
- ^ a b 上野 芳夫・大村 智 監修、田中 晴雄・土屋 友房 編集 『微生物薬品化学(改訂第4版)』 p.215 南江堂 2003年4月15日発行 ISBN 4-524-40179-2
- ^ a b 田中 信男・中村 昭四郎 『抗生物質大要―化学と生物活性(第3版増補)』 p.250 東京大学出版会 1984年10月25日発行 ISBN 4-13-062020-7
- ^ 田中 信男・中村 昭四郎 『抗生物質大要―化学と生物活性(第3版増補)』 p.345 東京大学出版会 1984年10月25日発行 ISBN 4-13-062020-7
- 1 キタサマイシンとは
- 2 キタサマイシンの概要
- 3 用法
- 4 関連項目
キタサマイシン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/23 01:10 UTC 版)
キタサマイシンは各種ロイコマイシン類(英語版)の混合物である。具体的には、ロイコマイシンA1、ロイコマイシンA3、ロイコマイシンA4、ロイコマイシンA5、ロイコマイシンA6、ロイコマイシンA7、ロイコマイシンA8、ロイコマイシンA9、ロイコマイシンA13の混合物である。ただ、キタサマイシンの主成分は、ロイコマイシンA5とされる。ジョサマイシンはロイコマイシンA3と同一の物質である。これに対してロキタマイシンは、ロイコマイシンA5の一部を化学修飾した薬物である。ロイコマイシンA5の一部の化学構造を変更して、臨床での使用も行われた抗菌薬としては、他にミオカマイシン(英語版)が知られる。また、構造的に比較的近い抗菌薬として、Steptomyces mycarofaciensが産生するミデカマイシン(英語版)が知られる。
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キタサマイシン
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「アセチルキタサマイシン」の記事における「キタサマイシン」の解説
詳細は「キタサマイシン」を参照 参考までに、名称が似ているキタサマイシンも混合物だが、こちらはロイコマイシンA5を主成分とした、ロイコマイシンA1、ロイコマイシンA3、ロイコマイシンA4、ロイコマイシンA5、ロイコマイシンA6、ロイコマイシンA7、ロイコマイシンA8、ロイコマイシンA9、ロイコマイシンA13の混合物である。したがって、ロイコマイシンA5を主成分とするキタサマイシンと、ロイコマイシンA5を原料としていないアセチルキタサマイシンとでは、主成分が大きく異なる。 しかも、キタサマイシンはStreptomyces kitasatoensisが産生する抗生物質であって、人工的に化学構造の変換を行っていない。したがって、キタサマイシンは抗生物質とも呼べるものの、アセチルキタサマイシンは半合成抗菌薬であって抗生物質の定義から外れるという違いも有る。
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