ガニュメーデースの誘拐
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 09:09 UTC 版)
「ガニュメーデース」の記事における「ガニュメーデースの誘拐」の解説
一般には、ガニュメーデースが神々の給仕となったのは以下の事情によるとされる。オリュムポスの神々に給仕するのは、もとは大神ゼウスとその正妻ヘーラーの娘、青春の女神であるヘーベーの役割であった。ゼウスの子、英雄ヘーラクレースが死後、神々の列に加えられたとき、ヘーラクレースを憎んだヘーラーはようやくヘーラクレースと和解し、その娘ヘーベーが妻としてヘーラクレースに与えられた。このため神々の宴席に給仕するものがなくなった。ゼウスはガニュメーデースの美しさを愛し、ガニュメーデースをさらい、オリュムポスの給仕とした。この仕事のためにガニュメーデースには永遠の若さと不死が与えられた。また代償としてその父に速い神馬(別伝ではヘーパイストスの作った黄金のブドウの木)が与えられた。 ガニュメーデースの誘拐には諸説がある。まずガニュメーデースをさらったのは誰かについて異伝があり、神々たち、ゼウス自身、ゼウスの使いの鷲、ゼウスが鷲の姿に変じてさらったなどの説がある。一方で、タンタロス、またはミーノース、エーオースがさらったという伝承もある。 また、ガニュメーデースがさらわれた場所は、一般にトローアスのイーデー山(ラテン語名イーダー山)であるとホメーロス他ではいわれる。他方で、同名のクレータ島の山、またはエウボイアの山、ミューシアのハルパゲ(誘拐の意)という場所であるとの説もある。 また、ヘーラクレースに与えられる前のヘーベーが給仕中に転んであられもない姿になったので、ゼウスは彼女に免職を言い渡し、その代わりとしてガニュメーデースをさらったともいわれる。
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