エンブラエル機の通信記録
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 15:35 UTC 版)
「ゴル航空1907便墜落事故」の記事における「エンブラエル機の通信記録」の解説
現地時間15:51、エンブラエル機のパイロットは120.05MHzでブラジリアセンターと交信を行った。 N600XL:Brasilia, November six hundred X-ray Lima, level... flight level three seven zero, good afternoon. (ブラジリアセンター、こちらはN600XL、高度は…フライトレベル370で飛行中です。こんにちは。) ATC:November six zero zero X-ray Lima, squawk ident, radar surveillance. (N600XL、トランスポンダをIDENTモードに設定願います。レーダーで捕捉しています。) N600XL:Roger. (了解。) これが衝突前のブラジリアセンターとの最後の交信となった。 エンブラエル機はセンターと通信した4分後にBrasilia VORを通過したにもかかわらず降下しなかった。管制官は気が付かず、またパイロットもFLの変更を要求しなかった。 Brasilia VORを過ぎて7分後の16:02にレーダー上の高度表示がトランスポンダの応答がない場合の表示に切り替わり、レーダー上には現在の飛行高度であるFL370ではなく、予定高度(この場合はFL360)が表示された。しかし管制官はこのことに気が付かず、なにも言及しなかった。 16:24になってセンターはエンブラエル機を呼び出したが応答がなく、8分間に7回呼び出したが応答はなかった。この時点でレーダーの機影が断続的となり、16:38にレーダーから完全に消えた。 その10分後にエンブラエル機のパイロットがブラジリアセンターを呼び始め、12回繰り返したが応答はなかった。16:53:39に僅かにつながったので、センターは123.32MHzまたは126.45MHzで交信するよう求めたが、この時雑音が混じり始め、肝心な周波数の部分が聞き取れなかった。エンブラエル機のパイロットは更に7回センターを呼んで通信周波数の確認を求めたが、通信状態は依然として悪いままで、7回目の呼び出しのあとに衝突した。 エンブラエル機は激突した後に通信をしようとしたが通じなかった。そのため付近を飛んでいたポーラエアカーゴに中継してもらい、緊急着陸の旨を伝えた。
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