エル・カルメン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/10 22:57 UTC 版)
エル・カルメン複合建築物はカルメル会の修道院跡で、今は博物館になっている。サン・アンヘルのランドマークであり、とくに教会の上のタイルで覆われた3つのドームが有名である。エル・カルメンは教会、修道院跡、学校の建物から構成されている。学校(コレヒオ)は1613年に設立されたが、建物の建設がはじまったのはその2年後である。修道士アンドレス・デ・サン・ミゲルによって設計されて1615年に礎石が置かれ、1617年に竣工した。教会は1624年から1626年にかけて建てられ、殉教者聖アンヘル (Angelus of Jerusalem) に捧げられた。その設計はスペインのサン・ホセ・アビラ修道院を元にしている。 修道院と学校は1939年に国立人類学歴史研究所の管理下にはいり、1955年に博物館として開館した。メキシコシティでもっとも訪問者の多い博物館のひとつになっている。 博物館に人気がある理由のひとつは地下聖堂に展示されているミイラである。17世紀から19世紀にかけて、修道院が運営資金を得るひとつの方法として、現地の裕福な家族の寄付者のために地下聖堂を墓として準備した。遺体の大半は長年かけて骨になった後に掘り起こされて器に移されるが、一部の遺体は分解しなかった。1917年から1918年にかけて軍隊が宝物を求めて修道院を略奪したとき、よく保存された自然のミイラを地下聖堂で発見した。博物館では12体のミイラを展示しているが、密封されたケースに入れられているわけでないため、その多くは劣化が進んでいる。
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