エアリーディスクを観察する条件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/18 07:42 UTC 版)
「エアリーディスク」の記事における「エアリーディスクを観察する条件」の解説
均一の照明を与えられた円形開口を通過した光(または均一な平坦波)は、円形開口から遠く離れた観察平面上にエアリー回折パターンをみせる。光源と観察平面がそれぞれ円形開口から無限遠にある場合をフラウンホーファー回折といい、少なくとも一方が有限の距離にある場合をフレネル回折というが、ここでは前者を問題にする。 レンズを使わずにエアリーパターンを観察する条件は、1) 円形開口を照らす光が平坦な波動であり(光全体で波の位相がそろう)、2) 円形開口にあたる光の強度が開口面全面で一定であり、3) 回折光が観察できる位置と円形開口の距離 R (観察平面と円形開口の距離)が開口径と比較して十分大きく、4) 開口部の半径 a が光の波長 λ {\displaystyle \lambda } と比較してあまり大きくないことである。3)、4) の条件は R > a 2 / λ {\displaystyle R>a^{2}/\lambda } という式で表すことができる。 均一な照明の条件は円形開口から十分遠くに光源を置くことで満たされる。しかし円形開口が大きいなどの理由で回折像の観察面までの距離を十分とるという条件が満たされない場合は、円形開口のすぐ後方にレンズをおく(あるいはレンズ自体が開口絞りとなる)ことで円形開口に近い観察平面上に回折像を映すこともできる。その場合エアリーパターンは無限遠ではなくレンズの焦点上に結ばれるが、ここで生じるのはフラウンホーファー回折である 波の位相が揃った円形レーザー光(平坦波)がレンズにより結像するとやはりエアリーパターンを生じる。 カメラや結像光学系では十分遠方の被写体は対物レンズにより屈折してフィルムほかの検出器平面上に結像するので、遠視野回折像が検出器で観察される。円形開口の虹彩やレンズの外縁による制約で生じる回折像は、計算上多重同心円のエアリー回折パターンとなる。すでに述べたレンズ系の最大分解能がここから導かれる。
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