エアリーディスク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/07 09:48 UTC 版)

エアリーディスク(英: Airy disc)は、光学現象である。光には波の性質があるので、円形開口を通過した光は回折して開口部から遠く離れた観察平面上に同心円状の明暗のパターンをつくる(光の干渉を参照)。
均一光源から出て円形開口を通過した光は観察面上に回折パターンを生じるが、この中心には「エアリーディスク」とよばれる明るい領域があり、その周りを「エアリーパターン」と呼ばれる複数の同心円環がとりまく。ディスクと各円環は暗い同心円環に隔てられる。いずれもジョージ・ビドル・エアリーにちなんで名づけられた。このディスクの直径は光源が出す光の波長と円形開口の大きさによって異なる。
カメラや望遠鏡ではこれは重要な意味をもつ。有限の直径を持つレンズを通過した光線の焦点像は厳密には点にならず、回折によってエアリーディスクの大きさの円盤になる。無収差レンズを使った場合でも、このレンズがつくる焦点像の分解能には限界があり、回折による限界により光学系の分解能はきまるといってよい。よって写真技術で言ういわゆる小絞りボケも、エアリーディスクで理論的に説明できる。
エアリーディスクは物理学・光学・天文学では重要な概念である。
エアリーディスクの大きさ
円形開口から離れた遠視野(ファーフィールド)にできる最小の暗環と光軸との隔たりを円形開口平面と光軸が交わる点から計測した角度は次の式で与えられる。
円形開口による回折。エアリーパターンは( 円形開口にレンズを用いた回折。遠視野の像はR=f (f=焦点距離)の距離の焦点観察平面上にのみ観察される。視野角
外部リンク
- Diffraction Limited Photography エアリー・ディスク、レンズの口径、ピクセルの大きさによりカメラの解像力が決定することの理解のために。
- Diffraction from a circular aperture 上記の式の数学的詳解。