インセンティブ契約の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/03/08 15:11 UTC 版)
「プリンシパル=エージェント理論」の記事における「インセンティブ契約の場合」の解説
次に、経営者が、固定賃金wに加えて、事業が成功した場合にボーナスb(ただしb≧0)を支払うインセンティブ契約を提示して従業員を募ったとする。このときの経営者と労働者の利得は以下のようになる。 労働者が求人に応じるか否か労働者が努力するか否か事業の成否経営者の利得労働者の利得労働者が求人に応じる労働者が努力する80%の確率で成功5000-w-b w+b-400 20%の確率で失敗2000-w w-400 労働者が努力を怠る100%の確率で失敗2000-w w-200 労働者が求人に応じない0 300 労働者がこの事業に従事し、かつ事業成功に向けて努力する場合、労働者の期待利得 E R A {\displaystyle E_{RA}} は E R A {\displaystyle E_{RA}} =(w+b-400)×0.8+(w-400)×0.2=w+ 4 5 {\displaystyle {\tfrac {4}{5}}} b-400 w+ 4 5 {\displaystyle {\tfrac {4}{5}}} b-400≧w-200 b≧250 w+ 4 5 {\displaystyle {\tfrac {4}{5}}} b-400≧300 b≧- 5 4 {\displaystyle {\tfrac {5}{4}}} w+875 の不等式で表現される。これを図示すると右図のようになる。 ここで、経営者の期待利得 E R P {\displaystyle E_{RP}} は E R P {\displaystyle E_{RP}} =(5000-w-b)×0.8+(2000-w)×0.2=4400-w- 4 5 {\displaystyle {\tfrac {4}{5}}} b b=- 5 4 {\displaystyle {\tfrac {5}{4}}} w+(5500- 5 4 {\displaystyle {\tfrac {5}{4}}} E R P {\displaystyle E_{RP}} ) となる。この無差別曲線は、左下のもの(縦軸の切片の値が小さいもの)ほど経営者の期待効用が高い。よって、インセンティブ両立条件と参加条件を満たしつつ経営者の期待利得を最大化する最適な(w,b)の組合せは、点(0,875)と点(500,250)を結ぶ線分となる。
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