イデアルを使う定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/21 21:24 UTC 版)
ヘッケに遡ると、ヘッケ指標の元来の定義は、分数イデアル上の指標を使っていた。数体 K に対し、m = mfm∞ を、有限部分としては K のイデアル mf を持ち、無限部分としては K の実数の座(place)の「形式的な」積として持つ K-モジュラス(英語版)(modulus)とする。Im で K の分数イデアルの群を素イデアル mf を表し、Pm で主分数イデアル (a) の部分群を表す。ここに a は、その因子の多重度に応じて、各々の m の座で 1 に近く。mf の中の各々の有限の座 v に対し、ordv(a - 1) は、少なくとも mf の中の v の成分と同じ大きさであり、a は m∞ への各々の実埋め込みの下では正である。modulus m を持つヘッケ指標は、Im から 0 でない複素数への群準同型であり、Pm の中のイデアル (a) に対し、その値は、K のすべてのアルキメデス的完備化の乗法群の積から 0 でない複素数への連続写像の a での値に等しい。アルキメデス的完備化の乗法群上では、この準同型の各々の局所成分は、同じ実数成分を持っている。(ここに、K 上の様々なアルキメデス的な座に対応する埋め込みを使い、K のアルキメデス的完備化の積の中へ a を埋め込む。)このようにして、ヘッケ指標は modulo m とする射類体(英語版)(ray class group)上で定義される。ここの射類体とは商 Im/Pm である。 厳密に言うと、ヘッケは、総実な生成子を持つような場合の主イデアルの振る舞いについての基本的な事項を作った。従って、上の定義について、彼は全ての実数の座が現れるモジュラスを持つ仕事をしたのみであった。無限部分 m∞ は、現在では無限タイプの考え方に含まれている。
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