イスラエル・ユダヤ関係の取り組み
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/23 14:40 UTC 版)
「リチャード・ホルブルック」の記事における「イスラエル・ユダヤ関係の取り組み」の解説
ホルブルックは、国連におけるイスラエルやユダヤ人団体の地位確保にも取り組んだことで知られる。その一例として挙げられるのが、イスラエルをアメリカと繋がりのある地域グループへ引き入れたことである。 イスラエルは元々、国連の地域グループ分類ではアジアグループに属するべき国であった。これはイスラエルの地理的位置に基づく分類であったが、このグループには当然アラブ諸国も多く含まれており、イスラエルがアジアグループの一員として活動することを許容しないアラブ諸国の働きかけによって、イスラエルのアジアグループにおけるメンバー資格は停止されていた。このため、イスラエルは長らくどこの地域グループからも締め出されている状況にあり、国連内では孤立した立場となっていた。 そこでホルブルックは、イスラエルを西ヨーロッパ諸国などで構成される西ヨーロッパ・その他グループ(Western European and Others Group:WEOG)へ引き入れることを発案し、2000年5月、イスラエルを暫定措置という形ではあるが、WEOGの正式メンバー(フルメンバー)として迎えた。これによって、イスラエルは長年続いてきた地域グループから排除された状態を脱することができ、各種国連機関のポストにも立候補する道を開くことができた。この効果は、2005年6月14日に行われた第60回国連総会(同年9月開会)の正副議長を決める選挙において、ダン・ギラーマン(英語版)大使が副議長の1人に選出されるなど、明確な形となって表れている。 また彼は、国連大使としての任期末期には、アメリカのユダヤ人女性ボランティア団体であるハダサ(英語版)(Hadassah,正式名称は「全米シオニスト女性協会(the Women's Zionist Organization of America)」)に対して、アラブ諸国の代表からの強い反対を押し切って、国連が経済社会理事会に参加するNGOに与える諮問資格(Consultative Status)を与えたことでも知られている。
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