イギリス海軍のブタとして
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/08 16:48 UTC 版)
「ティルピッツ (ブタ)」の記事における「イギリス海軍のブタとして」の解説
ティルピッツは自力で甲板まで出ると、沈みゆく「ドレスデン」から泳いで脱出した。近くの英軍艦のもとまで漂流したティルピッツは、1時間後に「グラスゴー」乗組員の下士官によって発見された。ある士官が海に入りティルピッツを救出したが、彼はすっかり怯えきり、溺死寸前だったという。一命を取り留めたティルピッツは「グラスゴー」艦上へ引き上げられた。彼はここでドイツ海軍相アルフレート・フォン・ティルピッツ提督にちなむ、ティルピッツという名を授けられたのである。彼は1年間を「グラスゴー」艦上で暮らした後、検疫のため一時隔離され、それから彼を最初に発見した下士官の飼いブタとなった。以後はポーツマスのホエール島砲術学校(英語版)に住処を移した。『タイムズ』紙はティルピッツについて次のように報じた。 ティルピッツとして知られるこの動物は、かつてドイツ軽巡「ドレスデン」で飼育されていた。そして「グラスゴー」「ケント」「オラマ」との戦闘の際、ドイツ人たちは爆発を起こして「ドレスデン」を自沈させ海岸まで逃れたが、ティルピッツはそこに残されていた。このブタは大胆にも水をかいて進み、「グラスゴー」近くまで泳いだのである。2人の水兵が海に飛び込み、この動物は無事甲板へと引き上げられた。「グラスゴー」乗組員一同は、同僚の撤収後も艦内に残ったティルピッツに鉄十字勲章を授与し、素晴らしいペットとしたのである。
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