アーバナ_(イリノイ州)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > アーバナ_(イリノイ州)の意味・解説 

アーバナ (イリノイ州)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/21 13:33 UTC 版)

アーバナ市中心部
左: イリノイ州におけるシャンペーン郡の位置
右: シャンペーン郡におけるアーバナの市域

アーバナ(Urbana)は、アメリカ合衆国イリノイ州の都市。シャンペーン郡郡庁所在地である。人口は3万8336人(2020年)[1]。市街地は西隣のシャンペーンと一体化している。イリノイ大学の旗艦校アーバナ・シャンペーン校がある学園都市

歴史

この地への入植1820年代に既に始まっており、1833年にシャンペーン郡が創設されると、郡庁がアーバナに置かれた[2]1850年代に入り、イリノイ・セントラル鉄道が開通してアーバナの西、ウェストアーバナ(現在のシャンペーン)に駅が設けられると、この地は一気に成長し始めた。1855年には、アーバナは市として正式に法人化された。1863年には、ウェストアーバナの駅とアーバナの郡庁舎の間を、ラバに曳かれた馬車鉄道が通った[3]。1867年には、地元のイリノイ州議会下院議員で、アーバナの市長も務めたクラーク・ロビンソン・グリッグスによるロビー活動が功を奏し、州政府はこの地にイリノイ産業大学(後のイリノイ大学アーバナ・シャンペーン校)の設置を決定した[4][5]

地理

アーバナは北緯40度6分35秒 西経88度12分15秒 / 北緯40.10972度 西経88.20417度 / 40.10972; -88.20417に位置し、市域面積は30.2km²(11.65mi²)である。市域の大部分は州間高速道路74号線の南側に広がり、市の中心部はユニバーシティー・アベニュー(国道150号線)とカニンハム・アベニュー/バイン・ストリート(国道45号線)の交差点の南西に広がっている。市の東側には、1960年代から毎年、クリスマスの時期に住民が家を装飾し、ライトアップする伝統がある、キャンドルスティック・レーンと呼ばれる地区が広がっている[6][7]

教育

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校
 
イリノイ大学付属高校

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校は、アーバナ市中心部の南西およびシャンペーン市中心部の南東に、両市にまたがるキャンパスを構えている。同学は17学部を有し、学部に150以上、大学院に100以上の専攻プログラムを持ち[8]、学部生約32,000人、大学院生約10,000人を抱えている。同学はUSニューズ&ワールド・レポートの大学ランキングでは、全米の総合大学の中で上位50位以内に入る評価を受けている[9]。また、同学のスポーツチーム、イリノイ・ファイティングイライナイは、中西部の有力大学12校で構成される、NCAAディビジョンIのビッグ・テン・カンファレンスに所属している。

このイリノイ大学の教育実験校として1921年に創立した付属高校はアーバナに立地している。同校は7-8年生の内容を1年間で修了する「サブフレッシュマン」(subfreshman)の後に通常の高校課程である9-12年生の学習を行う5年制の中高一貫校で、全校で約300人、1学年約60人の少数精鋭の教育を行っている。同校の卒業生にはノーベル賞ピューリッツァー賞の受賞者も複数いる。また、在校生のSATのスコアの高さから、同校はニューズウィーク誌によってパブリック・エリート校の1つに数えられている[10][11]

文化

イリノイ大学はアーバナ・シャンペーン両市における文化の中心にもなっている。16,000席を有する同学の多目的アリーナ、アセンブリー・ホールでは、イリノイ・ファイティングイライナイの男女バスケットボールの試合のほか、ポップスロックのコンサート、ブロードウェイミュージカルの公演なども行われる[12]。スパーロック博物館は、古代文明南北アメリカ大陸の先住民など、100万年にわたる人類史に関する、6つの大陸すべてからの出土物を収集・展示しており、そのコレクションは40,000点にのぼる[13]。同学芸術学部のクラナート美術館は、古代エジプトから現代の写真に至るまで、9,000点の作品を常設展示物として収集・展示している[14]。キャンパスの南側には同学の植物園が設けられており、同学の植物学や芸術・応用芸術学専攻の学生に対する教育・研究の場であると同時に、地域住民に無料で開放された憩いの場を提供している。園内には日本庭園茶室もあり、茶道書道日本画の授業に用いられているほか、日本文化センターとしての役割も果たしている[15]

交通

イリノイ大学が所有する空港、イリノイ大学ウィラード空港は、同学航空学部の飛行実習に使われるほか、アメリカン・イーグルによるシカゴ・オヘア国際空港ダラス・フォートワース国際空港への定期旅客便が就航しており[16]、シャンペーン・アーバナ都市圏の玄関口となる、商業空港としての役割も果たしている。

経済

マーケット・アット・ザ・スクエア

イリノイ大学関連以外では、アーバナではマーケット・アット・ザ・スクエアという農産品市場が知られている。1979年に始まったこの農産品市場は、5月から11月にかけて、毎週土曜日の午前中に、アーバナの中心部、イリノイ・ストリートとバイン・ストリートの角で開かれる。この農産品市場には150以上の出品者が集まり、地元イリノイ州産の農産物・畜産物・乳製品をはじめ、花、宝飾品、陶芸品、木工品、ろうそく、ボディケア用品、庭園装飾品、衣服など、さまざまなものが販売されている[17]

姉妹都市

アーバナは2008年より、マラウイの大学都市ゾンバ姉妹都市提携を結んでいる[18][19]

  1. ^ Quickfacts.census.gov”. 2023年10月29日閲覧。
  2. ^ History of The City of Urbana, Il. J. S. Lothrop's Champaign County Directory With History of the same, and Each Township Therein. Chicago: Rand, McNally & Co., Printers & Binders. 1871年.
  3. ^ History of Downtown. City of Urbana.
  4. ^ Historical Overview. Our Best Yesterday, Today, and Tomorrow: Champaign's 150th Anniversary Celebration. City of Champaign.
  5. ^ "Griggs Puts U in Urbana". The News-Gazette. 1867年2月28日. Qtd in Hot Type: 150 Years of the Best Local Stories from the News-Gazette. p.13. Ed: Tom Kacich. Sports Publishing LLC. 2002年8月1日.
  6. ^ Wurth, Julie. Candlestick Lane and more in weekend Family Picks! The News-Gazette. 2010年12月10日.
  7. ^ Candlestick Lane. Campaign Public Library.
  8. ^ Academics at Illinois. University of Illinois at Urbana-Champaign.
  9. ^ Best Colleges 2013: National University Rankings. p.5. U.S. News & World Report. 2012年.
    2013年版(2012年発行)では46位であった。
  10. ^ About Uni - Overview & History. University Laboratory High School.
  11. ^ Mathews, Jay. From Newsweek: America's Best High Schools: The Elites. The Daily Beast. The Newsweek Daily Beast Company. 2010年6月12日.
  12. ^ Overview. University of Illinois at Urbana-Champaign.
  13. ^ General Information, Collections of the Spurlock Museum. Spurlock Museum, University of Illinois at Urbana-Champaign.
  14. ^ Museum History & Architecture. Krannert Art Museum, University of Illinois at Urbana-Champaign.
  15. ^ Our Gardens. Arboretum, University of Illinois at Urbana-Champaign.
  16. ^ Flight Schedules. Willard Airport, University of Illinois Urbana-Champaign.
  17. ^ Urbana's Market at the Square. City of Urbana.
  18. ^ Urbana's Sister City Program--Zomba, Malawi. City of Urbana.
  19. ^ Urbana, IL. Interactive City Directory. Sister Cities International, Inc.

外部リンク


「アーバナ (イリノイ州)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アーバナ_(イリノイ州)」の関連用語

アーバナ_(イリノイ州)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アーバナ_(イリノイ州)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアーバナ (イリノイ州) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS