セイリーン郡_(イリノイ州)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > セイリーン郡_(イリノイ州)の意味・解説 

セイリーン郡 (イリノイ州)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/24 02:01 UTC 版)

イリノイ州セイリーン郡
郡のイリノイ州内の位置
州のアメリカ合衆国内の位置
設立 1847年
郡庁所在地 ハリスバーグ
最大の都市 ハリスバーグ
面積
 - 総面積
 - 陸
 - 水

1,002 km2 (386.78 mi2)
984 km2 (379.82 mi2)
18 km2 (6.96 mi2), 1.80%
人口
 - (2010年)
 - 密度

24,913人
27人/km2 (70人/mi2)
標準時 中部: UTC-6/-5

セイリーン郡: Saline County)は、アメリカ合衆国イリノイ州の南部に位置するである。2010年国勢調査での人口は24,913人であり、2000年の26,733人から6.8%減少した[1]郡庁所在地はハリスバーグ市(人口9,017人[2])であり、同郡で人口最大の都市でもある。

セイリーン郡はアメリカ合衆国で最少の郵便局と最大のケンタッキーフライドチキンの店がある。郡内の所要名3つの町であるエルドラード、ハリスバーグ、キャリアミルズがアメリカ国道45号線で繋がれている。また現在は廃線になったカイロ・アンド・ビンセンズ/ビッグフォー/ニューヨーク・セントラル鉄道が通っていた。

歴史

セイリーン郡は1847年にギャラティン郡から分離して設立された。郡名はセイリーン川と、郡が始まって初期に塩が生産された泉から採られた。

セイリーン郡はインディアン殺害者のジョン・モアドックに因んでモアドック郡と名付けられるところだった。モアドックは少年時代にその家族が虐殺されるのを目撃した初期開拓者であり、その生涯を通じてインディアンを待ち伏せし殺害した。初期開拓者の多くはこれを間違ったことと見なしていたが、モアドックはいかなる罪にも問われなかった。

セイリーン郡の創設は議論が極端に多いものだった。イリノイ州は当初少数の大変広い郡ができていた。開拓が進むに連れて当初の郡から新しい郡が型どおり形成されていった。ギャラティン郡は1812年に設立された初期の郡であり、直ぐに15ほどの郡に分割されていき、現在のギャラティン郡にセイリーン郡の領域を足したものが残った。この状態が数十年続いた。

オールドショーニータウンはギャラティン郡の当初の郡庁所在地だった。当時のオールドショーニータウンは州内最大かつ商業の中心だった。しかし郡の東端に位置していた。1826年、郡庁所在地は当時のギャラティン郡の中心に近い新しいイクオリティの村に移された。オールドショーニータウンはこの移転に反対し、セイリーン郡を分離し、残された郡の郡庁所在地のままでいるという方法で救済を求めた。かくしてセイリーン郡を形成するための推進力は郡の外れに住む開拓者からではなくて、もともとの郡の中心部から生まれた。

セイリーン郡は1847年の州議会で発声投票によって創設された。しかし、郡創設を完成させるには州議会の3つの法案可決、イリノイ州最高裁判所の4つの判決、さらに住民投票2回を要した。この論争にはエイブラハム・リンカーンなど州内の指導的な弁護士も巻き込んだ。

地理

国内最大のケンタッキーフライドチキンの店、ハリスバーグ市にある

アメリカ合衆国国勢調査局に拠れば、郡域全面積は386.78平方マイル (1,001.8 km2)であり、このうち陸地379.82平方マイル (983.7 km2)、水域は6.96平方マイル (18.0 km2)で水域率は1.80%である[3]

セイリーン郡の地形は大半がうねりのある丘陵であり、ショーニー国立の森のある丘陵にむかって標高が少しずつあがっている。セイリーン川が郡の中央を流れ、ノース、ミドル、サウスの3つの支流がある。エルドラードの北には平らな低地がある[4]

主要高規格道路

  • アメリカ国道45号線
  • イリノイ州道13号線
  • イリノイ州道34号線
  • イリノイ州道142号線
  • イリノイ州道145号線

隣接する郡

国立保護地域

  • ショーニー国立の森(部分)

気候と気象

ハリスバーグ
雨温図説明
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
 
 
3.2
 
40
22
 
 
3.1
 
46
25
 
 
4.4
 
57
35
 
 
4.6
 
68
45
 
 
5
 
77
54
 
 
4.5
 
85
63
 
 
3.9
 
89
68
 
 
3.2
 
88
65
 
 
3
 
81
57
 
 
3
 
70
44
 
 
4.2
 
56
36
 
 
3.9
 
45
26
気温(°F
総降水量(in)
出典:The Weather Channel[5]
メートル換算
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
 
 
81
 
4
-6
 
 
78
 
8
-4
 
 
113
 
14
2
 
 
118
 
20
7
 
 
126
 
25
12
 
 
114
 
29
17
 
 
100
 
32
20
 
 
82
 
31
18
 
 
77
 
27
14
 
 
77
 
21
7
 
 
107
 
13
2
 
 
99
 
7
-3
気温(°C
総降水量(mm)

近年、郡庁所在地であるハリスバーグ市の平均気温は1月の22°F (-6 ℃) から7月の89°F (32 ℃) まで変化している。過去最低気温は1951年2月に記録された-23°F (-31 ℃) であり、過去最高気温は1936年7月に記録された113°F (45 ℃) である。月間降水量は9月の3.04インチ (77 mm) から5月の4.98インチ (126 mm) まで変化している[5]

人口動態

人口推移
人口
1850 5,588
1860 9,331 67.0%
1870 12,714 36.3%
1880 15,940 25.4%
1890 19,342 21.3%
1900 21,685 12.1%
1910 30,204 39.3%
1920 38,353 27.0%
1930 37,100 −3.3%
1940 38,066 2.6%
1950 33,420 −12.2%
1960 26,227 −21.5%
1970 25,721 −1.9%
1980 28,448 10.6%
1990 26,551 −6.7%
2000 26,733 0.7%
2010 24,913 −6.8%
IL Counties 1900-1990[6]

2010年国勢調査

人種別人口構成

2000年国勢調査

以下は2000年国勢調査による人口統計データである。

基礎データ

  • 人口: 26,733人
  • 世帯数: 10,992 世帯
  • 家族数: 7,232 家族
  • 人口密度: 27人/km2(70人/mi2
  • 住居数: 12,360軒
  • 住居密度: 12軒/km2(32軒/mi2

人種別人口構成

先祖による構成

  • アメリカ人:27.3%
  • ドイツ系:16.2%
  • アイルランド系:14.5%
  • イギリス系:13.9%

年齢別人口構成

  • 18歳未満: 24.0%
  • 18-24歳: 8.2%
  • 25-44歳: 25.1%
  • 45-64歳: 23.7%
  • 65歳以上: 19.0%
  • 年齢の中央値: 40歳
  • 性比(女性100人あたり男性の人口)
    • 総人口: 92.8
    • 18歳以上: 86.5

世帯と家族(対世帯数)

  • 18歳未満の子供がいる: 28.9%
  • 結婚・同居している夫婦: 51.9%
  • 未婚・離婚・死別女性が世帯主: 10.2%
  • 非家族世帯: 34.2%
  • 単身世帯: 31.3%
  • 65歳以上の老人1人暮らし: 16.0%
  • 平均構成人数
    • 世帯: 2.32人
    • 家族: 2.90人

収入と家計

  • 収入の中央値
    • 世帯: 28,768米ドル
    • 家族: 37,295米ドル
    • 性別
      • 男性: 31,131米ドル
      • 女性: 19,276米ドル
  • 人口1人あたり収入: 15,590米ドル
  • 貧困線以下
    • 対人口: 14.2%
    • 対家族数: 10.4%
    • 18歳未満: 18.8%
    • 65歳以上: 11.6%

雇用と公共事業

セイリーン郡では石炭鉱業が最も雇用比率の高い産業となっている。郡内にはガラティア鉱山があり、州内最大の地下掘り石炭鉱山で500人近い労働者を雇用している[7]。鉱業探査産業が別の雇用源となっており、石炭と鉱物の出荷や採掘がある。建設業とサービス業も郡の鉱業から恩恵を受けている。

その他の雇用源としては、医療、社会サービス、州政府事業がある。ハリスバーグにはイリノイ州ハリスバーグ青年センター[8]があり、イリノイ州矯正省が運営し、男性少年犯罪者を収容している。

郡内にサウスイースタン・イリノイ・カレッジがあり、ハリスバーグの東約4マイル (6 km)、州道13号線沿いにある2年制カレッジである。

病院としては、ハリスバーグ医療センター[9]とエルドラードのフェレル病院がある。公共健康サービスはイジプシャン健康部[10]が管理している。

公共輸送はライズ・マストランジット地区[11]とハリスバーグ・タクシーが担当している。

郡区

セイリーン郡は下記13の郡区に分割されている。

  • ブラッシー
  • キャリアミルズ
  • コテージ
  • イーストエルドラード
  • ガラティア
  • ハリスバーグ
  • インディペンデンス
  • ロングブランチ
  • マウンテン
  • ローリー
  • レクター
  • ストーンフォート
  • テイト

都市と町

  • ハリスバーグ - 郡庁所在地
  • キャリアミルズ
  • エルドラード
  • ガラティア
  • レドフォード
  • マッディ
  • ローリー
  • ストーンフォート

未編入の町

  • ブエナビスタ
  • コテージグローブ
  • デルタ
  • ダービー
  • ドリスハイツ
  • ドリスビル
  • イーグル
  • フランシス
  • ガーデンハイツ
  • ガスキンズシティ
  • ハーコ
  • ホースシュー
  • レイクビュー
  • レドフォード
  • リバティ
  • ロングブランチ
  • ミッチェルビル
  • ニューホープ
  • ニューキャッスル
  • オールドタウン
  • パンキービル
  • ルードメント
  • セイリーン
  • サマセット
  • テキサスシティ
  • タイソン
  • ウォッソン
  • ウェストエンド

脚注

参考文献

  • "Tails and Trails of Illinois", Stu Fliege, University of Illinois Press,2002.
  • "http://www.iltrails.org/saline/towns_cities.html, © 2000-2001 by Debbie Woolard, Illinois Trails History and Genealogy.
  • Gillum Ferguson. 2007. The Perilous Infancy of Saline County, Journal of Illinois History, Vol. 10, p. 49.


外部リンク

座標: 北緯37度45分 西経88度32分 / 北緯37.75度 西経88.54度 / 37.75; -88.54




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「セイリーン郡_(イリノイ州)」の関連用語

セイリーン郡_(イリノイ州)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



セイリーン郡_(イリノイ州)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのセイリーン郡 (イリノイ州) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS