アンテナの絶縁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 21:27 UTC 版)
放送用アンテナは電波塔として建てられることが多く、特にマスト構造のものは全体に高電圧がかかることでエネルギーを与えられるため、地面から絶縁されなければならない。そのためステアタイトを架台とすることが多い。それらは場合によっては400kVにも達するアンテナにかかる電圧に耐えるだけでなく、アンテナの重量にも耐える必要がある。マスト型アンテナには落雷もよくあるので、アークホーンと避雷器も必須である。 マスト型アンテナを支持する支線には、地面との短絡や感電を防ぐ耐張がいしを挿入する。また、支線が送信波長と共鳴しないよう何箇所かに絶縁体を挿入して、その長さが波長の約数にならないようにする。そのための絶縁体としては、セラミック製の玉がいしなどを使う(写真参照)。玉がいしは、張力ではなく圧縮力がかかるという利点があり、たとえそれが破壊されても支線自体はアンテナを支え続けられるという利点もある。 これらの碍子にはまた、過電圧保護装置を装備する必要がある。支線の碍子の寸法については支線の持つ静電容量を考慮する必要があり、マストが高いほど送信機によってアンテナにかかる電圧より静電気による電圧が大きくなり、支線を碍子で複数に分割にする必要性が高まる。その場合、地面にコイル経由で支線を接地するか、場合によっては直接接地する。 アンテナと無線機をつなぐ給電線(特に平衡型フィーダー線)は、金属の構造物から距離を保つ必要があることが多い。この場合の碍子を「隔離碍子 (standoff insulator)」と呼ぶ。
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