アルヨことば
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 16:50 UTC 版)
ステレオタイプな中国人を表現する際には、語尾「ある」(〜あるよ、〜あるね、〜あるぞ、〜あるか)や命令・依頼表現「〜するよろし(い)」、助詞の省略などの特徴を持つ役割語が用いられる。こうした表現は幕末から明治にかけての外国人居留地で自然発生したピジン日本語(横浜ピジン日本語)に由来するとされるが、当時は中国人に限らず西洋人も使っていた言葉遣いで、「ある」ではなく「あります」という形も多かった。その後、台湾や満州などへの日本人の大量入植に伴い、中国人と日本人の接触が増え、ピジン日本語が多用されたため(協和語も参照)、「中国人=アルヨことば」というイメージが固定化された。 金水によれば、文法的な面から次のような特徴が指摘されるという。 動詞・形容詞原形およびタ形、動詞の打ち消し「〜ない」、名詞、形容動詞語幹に「ある」が付いて、文末を構成する。平叙文では「〜ある」「〜あるよ」「〜あるな」等の形になり、疑問文では「〜あるか」となる。 依頼・命令を表す形式として、動詞原形のうしろに「よろし(い)」が付いて、「買うよろし(い)」等となる。 丁寧体・普通体の区別はない。 「が」(を)等の助詞が欠落することがある。 その他、音声的な訛りが伴う。
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