アラウィー派中核地帯の防衛
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 07:01 UTC 版)
「ロシア連邦航空宇宙軍によるシリア空爆」の記事における「アラウィー派中核地帯の防衛」の解説
2015年9月30日にロシア航空宇宙軍(以下、ロシア空軍)による空爆が始まった。シリア専門家のファブリス・バランシュによれば、空爆の第1波は、アサド政権を支えるアラウィー派の中核地域を守るために反体制派に対して行われた。空爆の対象になった地域はラタキア県・ホムス県・ハマー県などで、対象となった組織はトルコや湾岸諸国の支援を受けていたアル=ヌスラ戦線・シャーム自由人イスラム運動、そしてその他のより小さな反体制派だった。そのため、ロシア空軍はアサド政権が最も脅威を受けている地域に攻撃を集中させていると見られていた。一方、この時点では当初掲げたISへの空爆は行われていなかったとされる(ロシア政府の説明では異なる。また、ISの最高指導者アブー・バクル・アル=バグダーディーが勢力圏喪失後イドリブ県に潜伏していた事などから、今日ではISと反体制派は時々の状況によって、対立関係だけでなく同盟関係にもなっていたと考えられている)。 反体制派が攻撃されているとして、反体制派を支援するアメリカ政府は懸念を示した。国防長官アシュトン・カーターは、「アサド政権と敵対する勢力への攻撃は無分別、逆効果、非生産的であり、失敗する運命にある」と強く非難した。総会が開かれている国際連合本部では、アメリカ国務長官ジョン・ケリーがロシアの外相セルゲイ・ラブロフに対して「イスラム国以外への空爆には重大な懸念がある」と伝えた。
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