アメリカの死刑
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/31 15:56 UTC 版)
アメリカ合衆国のいくつかの州では、ガス室による死刑を執行している。死刑囚は密閉されたガス室内の椅子に固縛され、外部操作によって椅子の下に置かれた硫酸容器の中に青酸ナトリウムが落ちると、青酸ガスが発生し、死刑囚を死に至らしめる。あらかじめ装着された長い聴診器により、外部から医師が死を判定する。判事や許可を受けた報道関係者に見えるように、ガラスの大きな窓を備えている。 1979年公開のアメリカのモンド映画「ジャンク 死と惨劇」には、実際の死刑囚に対するガス処刑風景が記録されており、処刑時の死刑囚の様子を見ることが出来る。 執行後のガス室は壁面に付着した青酸ガス成分を除去するため、毎回の洗浄作業が必要となる。この作業に対する防護措置、危険手当、各種消耗品等の負担は大きく、現在のアメリカにおいて最もハイコストな死刑方法である。死刑執行一時停止前の1939年~1964年の間は電気椅子に次いで多い死刑執行方法であったが、1977年の死刑再開以降、ガス室による処刑で執行されたのは11件であり、1999年3月3日のアリゾナ州でのドイツ国籍を有するウォルター・ラグランドの執行を最後にアメリカ国内で行われていない。なお、アメリカ合衆国初のガス室による死刑執行は、1924年2月8日に執行されたジー・ジョンでである。
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