アパーチャー‐グリル【aperture grill】
アパーチャグリル
【英】aperture grill
アパーチャグリルとは、CRTディスプレイの一種であるトリニトロン管で採用された、電子ビームをRGBの各色で表示するための機構をストライプ状にした技術のことである。ソニーが開発した。
CRTディスプレイの代表的な方式であるシャドウマスク方式では、マスク機構は無数の穴があいた状態になっており、電子ビームはドット状で透過する。アパーチャグリルはシャドーマスクに比べてより多くの電子ビームを透過させることができるため、より明るく鮮明な画面表示を実現することが可能となる。
アパーチャグリルはソニーのトリニトロン管、および三菱電機のダイヤモンドトロン管で採用された。なお、アパーチャグリルやシャドーマスクの他にスロットマスクと呼ばれる方式もある。
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アパーチャーグリル
(アパーチャグリル から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/18 04:05 UTC 版)
アパーチャーグリル(アパーチャグリルとも)はCRTディスプレイの技術の一つで、電子ビームをRGBすなわち赤、緑、青の各色をすだれ状に表示するものを指す。他のCRTディスプレイの技術にシャドーマスクやスロットマスクがある。
概要
アパーチャーグリルは金属の薄い板に走査線移動方向に対してほぼ直角(大抵は垂直)にすだれ状の穴があけられている。垂直方向に細い金属線がすだれ状に張られているとも表現できる。振動で穴が揺れ、隣り合ったマスク同士が接触して映像が乱れるのを防ぐために、水平方向にさらに細い金属線の支持体(テンションワイヤー、ダンパー線、ダンパ線)が1~3本入れられている(画面に見えるごく細い水平線はそれである)。支持体は画面表面のガラスのすぐ裏側に置かれ、画面サイズにより本数や位置が異なる(1本の場合は画面中央、2本の場合画面上下の4分の1ほどに配置されるなど、各社でさまざまである)。
アパーチャグリルは、シャドーマスクのように穴が正六角平面充填状に開いた型よりも、遮断される電子ビームが少なく透過量が多いため、より高輝度の画面となるほか、マスクピッチ(マスクに開いた穴の間隔)をより細かく出来ることから、にじみの少ない映像出力を特徴とする。
シャドーマスクと同様、電子ビームを浴び続けて熱を持つため、熱膨張しにくい素材が使用される。一方で、すだれ状の細い構造体が無数に並ぶため、大画面化が難しい。
歴史
アパーチャーグリル方式を初めて採用したのはノーベル物理学賞受賞者であるアーネスト・ローレンスによって発明されたクロマトロン(w:Chromatron)である。
アメリカでの展示会でクロマトロンの展示を見たソニーの技術者が技術を改良し、独自ブランドの「トリニトロン」を開発した。のちに三菱電機も同様の構造を採用し、「ダイヤモンドトロン」を開発した。トリニトロンとダイヤモンドトロンの違いは、電子銃の数である。トリニトロンは1つだった(CMでは1ガン3ビームとうたっていた)のに対して、ダイヤモンドトロンの電子銃は3本であった。
外部リンク
- モニターの特性を理解しよう - ウェイバックマシン(2008年3月5日アーカイブ分) - 株式会社ナナオ
- アパーチャグリルのページへのリンク