アトリ (リシ)とは? わかりやすく解説

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アトリ (リシ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/23 05:00 UTC 版)

アトリサンスクリット語: अत्रि Atri)は、古代インド神話リシのひとり。リグ・ヴェーダ巻5の賛歌はアトリの家系によって書かれた。アトリはサプタルシ(七聖仙)のひとりとされ、またアートレーヤゴートラの始祖とされる。

ヴェーダ

『リグ・ヴェーダ』最古の部分である巻2から巻7までは各巻が家系ごとに分かれているが、巻5の賛歌は主にアトリとその氏族(アートレーヤ)によって書かれたとされる。ただしアトリ本人によるとされるものは14賛歌にすぎない[1]:659。その一方で賛歌の中にしばしばアトリが歌われる。5.40の賛歌ではアスラのスヴァルヴァーヌ (Svarbhānuによって世界が暗闇に包まれたとき、アトリが祭儀によって太陽を助けたと言っており[1]:704-705、すでに神話的人物になっている。

アトリの父称はバウマ(Bhauma)、すなわちブーミ(大地)の子とされている。

叙事詩とプラーナ

ラーマーヤナ』にアトリはあまり登場しないが、巻2ではラーマシーターがアトリの庵を訪れ、アトリの妻アナスーヤー英語版の祝福を受けている[2]

マハーバーラタ』巻1によると、アトリはブラフマーの心から生まれた6人(巻12では7人)のリシのひとりとされる[3][4]

『マハーバーラタ』ではまた『リグ・ヴェーダ』にすでに記されているアトリが太陽を助けた話も敷衍されている。巻13によれば神々とアスラダーナヴァが戦っていたときにラーフが太陽と月に矢を射かけたために世界が闇で覆われ、神々は敗北しそうになった。アトリは自ら太陽と月に変身して闇を払いのけ、神々を助けてアスラたちを焼き殺した[5]

子孫

『ヴィシュヌ・プラーナ』4.6によるとブラフマーの子がアトリであり、アトリの子が月神ソーマであった。ソーマはブリハスパティの妻のターラーを略奪し、彼女は水星神のブダを生んだ。ブダとイラーからプルーラヴァスが生まれ、彼は月種の祖となった[6]

アトリはまたアナスーヤーを妻としてダッタ(ダッタートレーヤ英語版)とドゥルヴァーサスを生んだ。『ブラーフマンダ・プラーナ』によると、アトリは10人の子を持ったが、その中でも長男でヴィシュヌの生まれかわりであるダッタートレーヤとドゥルヴァーサスの2人が特に名高かった[7]。『バーガヴァタ・プラーナ』3章ではヴィシュヌの6番目のアヴァターラとしてアナスーヤーの子をあげる[8]ハイハヤ族カールタヴィーリヤ・アルジュナはダッタートレーヤの祝福のために無敵になっていたが、後にパラシュラーマに殺された[9]。後にダッタートレーヤはブラフマーヴィシュヌシヴァの3神(トリムールティ)が1人に現れたものとされ、ヒンドゥー教で信仰される。いっぽうドゥルヴァーサスは祝福や呪いによってさまざまな話で言及され、カーリダーサシャクンタラー』でドゥフシャンタ王がシャクンタラーを忘れたのもドゥルヴァーサスの呪いが原因である。

脚注




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