アセチルカルニチン
アセチルカルニチン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 14:06 UTC 版)
詳細は「アセチルカルニチン」を参照 アセチルカルニチン (acetylcarnitine) とは、カルニチンの水酸基がアセチル化された形体であり、通常はL体で存在する。 体内のL-カルニチンのうち約1割は、体内の酵素によって水酸基がアセチル化され、アセチル-L-カルニチンの状態で存在する。アセチルカルニチンは、血液脳関門を通過して脳内に到達し、脳内でアセチルコリンの量を増やす事が判明した。アルツハイマー病の初期であれば、ドネペジルのような脳内で作用するコリンエステラーゼ阻害薬で、脳内のアセチルコリンの量を増加させれば、痴呆の症状を改善できる。そこで、アセチル-L-カルニチンでも、アルツハイマー病の初期症状の改善に効果がある可能性があるかもしれないとして、研究されてきた。つまり、L-カルニチンが体内にあれば、勝手に体内で合成される物質ではあるものの、体外からアセチル-L-カルニチンを補えば、効果が出るかもしれないとの研究である。 しかしながら、アルツハイマー病は、脳の神経細胞が次々と死んでゆく進行性の疾患であり、ドネペジルなどで脳内のアセチルコリンの量を増加させたとしても、いずれ効果が得られなくなり、患者の痴呆症状は次第に悪化し、引き続いて患者は死亡する。つまり、脳内のアセチルコリンの量を増加させる方法は、アルツハイマー病の根本的な治療でない点に留意する必要がある。
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