アイスハーケンの歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/28 01:06 UTC 版)
「ハーケン (登山用品)」の記事における「アイスハーケンの歴史」の解説
ウィリー・ヴェルツェンバッハ(Willi Welzenbach)は氷に打ち込むためのアイスハーケンを考案した。平型で先端が鋭く尖り、抜け防止に刻みがついて、カラビナ装着用に環がついているリングハーケンの一種である。1924年7月に自らグロース・ヴィスバッハホルン北西壁登攀に持ち込んで実用し、特に上部の氷によるオーバーハング部分で有効であったという。その後も次々に北壁に挑戦、その実用性が証明され、以後氷壁や北壁の登攀がさかんになった。 1938年のアイガー北壁初登でも有効に使用されたが、この時にはV字アングル型になっており、ヴェルツェンバッハ型と比較して格段に強度が上がっていた。 1939年には、ミュンヘンで1913年に開店したスポーツ店シュスターにより、リング型ハーケンの一種で断面が弓形に湾曲したユンゲル・アイスハーケンが発明された。 1936年頃にはイタリアでパイプ型ハーケンが作られ、第二次世界大戦後に何箇所か縦にスリットの開いた特徴的なパイプ型ハーケンがアッテンホーファーにより売り出された。これは1950年に渡欧した水野祥太郎が1951年日本に持ち帰っている。 1960年代にはオーストリアのスチュバイが、直径6mm程度の鉄製丸棒の先端を螺旋状にした筒型スクリュー式アイスハーケンを開発、硬い氷の場合は従前のハーケンを打ち込むと砕けてしまうことがあったがその悩みを解決した。特に日本では氷壁登攀の多くを氷瀑登攀が占めるため多く使われている。
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