無害通航権
別名:無害通航
英語:Right of Innocent Passage
国連の海洋法において規定されている船舶の権利のうち、無害航行を行う限りにおいては、船舶は他国の領海内を航行できるとする権利のこと。
無害通航権の規定において、船舶は沿岸国の平和、秩序、および安全を脅かすことがない限りにおいて(not prejudicial to the peace, good order or security of the coastal state)、他国領海を自由に通航できるとされる。
海洋法では、武力の行使、武力による威嚇、兵器を使用した演習、あるいは漁獲活動などを行う場合には無害ではない航行と見なし、領海内で外国船舶がこうした活動に従事している場合には、これを阻止するために必要な措置を講じることができるとも規定している。
関連サイト:
UNITED NATIONS CONVENTION ON THE LAW OF THE SEA
国連海洋法条約
むがい‐つうこうけん〔‐ツウカウケン〕【無害通航権】
無害通航権
【英】: right of innocent passage
すべての国の船舶は、領海において無害通航権を享受する。これは、国際交通の利益のために領海を持つ国に課されている領域権の制限である。 無害通航というのは、沿岸国の平和、秩序または安全を害しない継続的かつ迅速な通航を指し、潜水艦は海面上を航行して国旗を掲げなければならない。無害通航権の制度は、沿岸国の利益と国際航行の利益とのバランスの上に認められるものである。そのため、沿岸国は、一定の事項について無害通航にかかわる法令を制定し、また、航行の安全のために航路帯と分離通航方式の使用を要求することができる。沿岸国は、外国船舶の無害通航を妨害してはならないが、同時に、無害でない通航を防止するために必要な措置を領海内でとることができる。外国船舶は、領海を通航するだけで料金を徴収されることはない。外国船舶は、沿岸国の領海を通航する以上、沿岸国の管轄権に服することになるが、航行中の船舶に関連して民事・刑事の裁判権が行使されると、航行にとって重大な障害になる。そのため、通航中の外国船舶に対して沿岸国が民事・刑事の裁判権を行使するのを、一定の場合を除いて制限している。なお、軍艦と非商業用の政府船舶に対しては、沿岸国の裁判権が免除される。軍艦が沿岸国の規則を遵守しなかった場合には、領海から直ちに退去するよう要求することができる。 |

- むがいつうこうけんのページへのリンク