ペトロボンド
【英】: petrobond, petrobonos
同義語: petrobonos
1977 年からメキシコが発行している国内債券の一種である。原油価格にリンクさせている点でユニークな債券として知られる。発行者はメキシコ国立銀行(National Financiera, S.A.)で、期間 3 年のペソ建て債である。この債券は、一定の額面価額に対して、一定の原油量の保証(barrels of oil backing the issue)が与えられ、原油の輸出価格の変動に応じて利息が計算される。この場合、原油価格はドル建てであり、計算時点の対ドル為替相場でペソ換算されるが、政府によって、発行時点価格が最低価格として保証されている。さらに、最低利子率が保証されており、その利子率は、発行時の金利情勢によって変動する。すなわち、支払われる利息は、対応する原油の量に、発行時点の原油価格(発行時点の輸出価格と為替相場で決定)を乗じたものと、償還時点の原油価格(償還時点の輸出価格と為替相場で決定)を乗じたものの差額となる。したがって原油価格が上昇し続けるとき、あるいはペソの対ドル相場が低下しているときは、ペソでの受取額が増大するため、メキシコ国内での資産運用というかぎりではうま味のある投資対象となる。本来の発行目的は石油開発資金の調達にあったが、現在では事実上一般財政資金調達のための金融商品になっているとみられる。今までほぼ毎年 1 回発行されており、1 回の発行総額が 200 億ペソに達した年もあった。近年ではペソの対ドル相場低下が著しいため為替リスクヘッジの一手段と見なされる面もあるが、原油価格の低下で市場性は後退傾向にあり、メキシコ証券取引所での取扱高も大幅に減少している。 |

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