とう‐ちゅう〔タウチウ〕【糖酎】
とう‐ちゅう【頭注/頭×註】
湯酎(とうちゅう)
明治初期、まだ琉球藩時代の沖縄で行われていた泡盛のお湯割り。斎治四年、琉球藩在勤の伊地知貞馨(いじちさだか)『沖縄志』によれば、当時の沖縄に酒はいろいろあるが泡盛がもっともよく飲まれ、しかも「之ヲ湯ニ和シテ飲ム湯酎ト名(なづ)ク」とあり、焼酎の湯割りの記録としては最も古いものと思われる。同書に「酔狂シテ人ノ害ヲナス者ハ士族ハ寺院ニ蟄居(ちっきょ)セシメ官吏ハ免職農民ハ苔杖若(ちじょうもし)クハ入牢(にゅうろう)」という土地柄だけに悪酔いしにくい湯割りが普及したのであろうか。しかし沖縄の酒器は内地のそれと違い直火で燗(かん)ができず湯酎の習慣はほとんどみられないので、湯酎は薩摩の琉球支配中に始まったのではないかとも考えられる。
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