その他の論理記号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 14:43 UTC 版)
以下では、発展的または稀に用いられる論理記号について述べる。 ⋅ オーバーラインの引かれた中点は否定論理積 NAND を表す。A · B は ¬ (A & B) と等価。 オーバーライン 数式の上に引かれたオーバーラインは、ゲーデル数を表すことがある。例えば A ∨ B は、論理式 A ∨ B のゲーデル数を意味する。 またオーバーラインで否定を表すこともある。例えば A ∨ B は、¬(A ∨ B) と等価。 U+007C | vertical line U+2191 ↑ upwards arrow U+22BC ⊼ nand シェファーの棒記号 (Sheffer stroke) とも呼ばれ、否定論理積 NAND 演算子である。 U+2193 ↓ downwards arrow U+22BD ⊽ nor パースの矢印 (Peirce arrow) とも呼ばれ、否定論理和 NOR 演算子である。 U+2201 ∁ complement 集合論において補集合を表す。例えば、全体集合が了解されている集合 A について、その補集合は ∁ A {\displaystyle \complement A} と表される。 U+2204 ∄ there does not exist 斜線の引かれた存在量化子は、¬∃ と等価である。すなわち存在の否定を意味する。 U+2234 ∴ therefore 「故に、従って (therefore)」を意味する。 U+2235 ∵ because 「なぜならば (because)」を意味する。 U+22A7 ⊧ models 左辺が右辺のモデルであることを意味する2項演算子。例えば理論 T について「M ⊧ T」は、M が T のモデルであることを意味する。 U+22A8 ⊨ true 右辺が左辺の論理的帰結であることを意味する2項演算子。例えば理論 T と論理式 φ について「T ⊨ φ」は、φ が T の論理的帰結である、すなわち φ が T の定理であることを意味する。 また「論理的に正しい」ことを意味する前置演算子。「∅ ⊧ φ」を「⊧ φ」と略記する、ここで ∅ は空集合。 U+22AC ⊬ does not prove 「証明不可能」を意味する。例えば理論 T と論理式 φ について「T ⊬ φ」は、T から φ が証明不可能である、すなわち φ は T の定理ではないことを意味する。 U+22AD ⊭ not true U+22A8 ⊨ true の否定。 U+22C6 ⋆ star operator アドホックな演算子について用いられる。 U+231C ⌜ top left corner U+231D ⌝ top right corner 角引用符 (corner quotes) は「クワインの引用符」または「疑似引用符」(quasi-quotation) と呼ばれ、ゲーデル数を意味する。例えば論理式 φ について「⌜φ⌝」は、ゲーデル数化された φ を意味する。
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