すなば珈琲とは? わかりやすく解説

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すなば珈琲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/04 09:59 UTC 版)

有限会社SUNABACOMPANY
すなば珈琲 ”新”鳥取駅前店
本社所在地 日本
680-0908
鳥取県鳥取市賀露町西3丁目27-1(本部所在地)
設立 2014年(平成26年)4月
業種 小売業
法人番号 7270002002647
事業内容 飲食業
支店舗数 12(2025年5月現在)
外部リンク https://sunaba.coffee/
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すなば珈琲(すなばコーヒー)は、鳥取県を中心に展開されている喫茶店チェーン。

概要

鳥取砂丘の砂で焙煎した「砂焼きコーヒー」が看板メニュー。2014年平成26年)に1号店が誕生して以降店舗数を増やし、鳥取県では最も店舗数が多いコーヒーチェーンとなっている。

後述の通り名前はスターバックスコーヒー(=スタバ)のパロディだが、店の雰囲気はシアトル系コーヒーのそれとは異なり、カレーライス・サンドイッチなどフードメニューが充実している店舗が多い。一部の店舗では麺類や海鮮丼も提供している。このためランチ利用や観光客の利用も多い。

開店の経緯

日本にシアトル系コーヒーが本格的に展開され始めた2000年前後は、大都市への出店が主であったため、シアトル系コーヒー店がある地域は「都会」、ない地域は「田舎」といったイメージを持たれがちであった。特に代表的なチェーンであるスターバックスは鳥取県に長年出店しておらず、テレビやインターネットでたびたび「鳥取県にはスタバがない」という自虐や揶揄がされていた。

2012年(平成24年)9月、スターバックスが島根県への初出店を発表し、鳥取県が47都道府県で唯一の「スタバがない県」となることが確定的になった。これに関して同月、平井伸治鳥取県知事がテレビの取材を受け、「鳥取にはスタバはないけど、日本一のスナバ(鳥取砂丘)がある」とダジャレで応じたことが話題となった[1]

この発言から、地元で長年飲食店を展開していた「ぎんりんグループ」のオーナーが喫茶店の開店を発案[2]し、2014年(平成26年)4月22日、鳥取市鳥取駅前に1号店が開店した[3]

2015年にはスターバックスが鳥取県に初出店(シャミネ鳥取店)したが[4]、すなば珈琲はこれを逆手にとって「大ピンチキャンペーン」と称し、スターバックスのレシートを持ちこむと割引になるキャンペーンを行い、スタバの47都道府県進出達成の話題と合わせて再び注目を集めることに成功した。

これらの動きはテレビやネットなどで拡散された。特にテレビ番組『月曜から夜ふかし』でマツコ・デラックスが取り上げたのを契機に「すなば珈琲」の名が全国的に知られるようになったといわれる。すなば珈琲は「感謝」の気持ちとして、旗艦店である”新”鳥取駅前店などにマツコ・デラックスのイラストパネルを置いた「専用指定席」を設け、店の名物となっている。

その後も「鳥取にはスタバがない(なかった)」というイメージは根強く残り、2016年に行われた『平成28年鳥取県に関するイメージ調査』の話題認知度(鳥取県に関する話題が人々にどれだけ認知されているかの割合)のランキングで「スターバックスが都道府県で最後にオープン・すなば珈琲」が初めて認知度1位を獲得[5]、令和3年(2021年)度まで1位を守っていた[6]。結果的に、すなば珈琲は鳥取のご当地コーヒーチェーンとして定着するに至っている。

沿革

  • 2014年(平成26年)4月22日 - 1号店となる鳥取駅前店が開店。
  • 2015年(平成27年)5月23日 - 鳥取県内で初めてスターバックスコーヒーが開店し5日間「大ピンチキャンペーン」を展開[7]
  • 2016年(平成28年)1月21日 - 平成27年関西元気文化圏賞ニューパワー賞を受賞[8]
  • 2019年(令和元年)
    • 6月16日 - 鳥取駅前店が閉店。入居しているビルが老朽化(耐震性能不足)により取り壊されることになったため[9][10]
    • 7月5日 - "新"鳥取駅前店が鳥取駅前の若桜街道沿いの商店街に開店[10][11]
    • 9月15日 - 岩手県陸前高田市の道の駅高田松原に高田松原店を開店(鳥取県外初出店)。
    • 11月5日 - 鳥取市役所新庁舎に鳥取市役所店を開店[12]

店舗

1号店の鳥取駅前店(2019年6月16日閉店)

2025年5月現在[13][14]

鳥取市
米子市
境港市
鳥取県外
  • 高田松原店 – 東日本大震災直後の2011年4月に創業者らが陸前高田市で炊き出し支援を行って以降定期的に現地との交流があり、道の駅高田松原の再開に際し現地関係者の要請を受けて出店。常設店舗としては唯一の鳥取県外への出店事例である[15]

他社とのコラボレーション

  • 寿製菓 - 2015年「すなば珈琲カフェショコラクランチ」を11月から発売[16]。現在はキャラメル、かりんとう、せんべいも販売
  • 大山乳業農業協同組合 - 2016年「コーヒー牛乳 すなば珈琲」を共同開発、中四国のセブンイレブンで販売、当時セブンイレブンは鳥取市に無くすなば珈琲店舗内で販売[17]
  • マルサンアイ - 2017年鳥取工場竣工記念にすなば珈琲監修の「すなば珈琲 コーヒー味豆乳」を9月から期間限定で西日本エリアで発売、8月に首都圏で先行発売[18]
  • ローソン - 「すなば珈琲 珈琲ゼリー」を発売[19]、2017年2月から「すなば珈琲 らくだのこぶチョコ」を中四国の店舗で発売[20]
  • 四国乳業京都工場 - 「すなば珈琲 乳飲料」を製造、セブンイレブン等で販売
  • 山崎製パン - 2016年「ランチパック コーヒー風味ゼリー&コーヒー入りホイップ」・「すなば珈琲 ほろにがコーヒーロール」をYショップ・セブンイレブン等で販売[21]

脚注

  1. ^ 【鳥取・平井知事講演録】(上)話題呼んだ「スタバはないがスナバはある」発言 鳥取地震前日の講演内容を紹介します(1/7ページ) - 産経ニュース 2016年11月1日(2025年5月17日閲覧)
  2. ^ “鳥取知事「スタバが来てもスナバ県は永久に不滅です」”. 朝日新聞. http://www.asahi.com/articles/ASG9D42GWG9DPTIL008.html 2015年5月22日閲覧。 
  3. ^ 鳥取にはスタバもある…地元すなば珈琲ピンチ? 読売オンライン Archived 2015年5月24日, at the Wayback Machine.
  4. ^ “大行列!スタバが“最後の地”鳥取にオープン|ウォーカープラス”. KADOKAWA CORPORATION. (2015年5月23日). https://www.walkerplus.com/article/59095/ 2025年5月17日閲覧。 
  5. ^ 平成28年度鳥取県に関するイメージ調査/とりネット/鳥取県公式サイト - 鳥取県(2025年5月17日閲覧)
  6. ^ 鳥取県に関するイメージ調査/とりネット/鳥取県公式サイト - 鳥取県(2025年5月17日閲覧)
  7. ^ 鳥取駅前店でスタバのレシートを持参すればブレンドコーヒー・税込324円を半額の162円で提供し、スタバよりおいしくなければ無料にする。鳥取にはスタバもある Archived 2015-05-24 at the Wayback Machine.
  8. ^ 平成27年「関西元気文化圏賞」ニューパワー賞にすなば珈琲! 鳥取県ウェブサイト
  9. ^ “なぜ?閉店 人気のすなば珈琲1号店”. 産経新聞. (2019年6月29日). https://www.sankei.com/article/20190629-HIBK4FI7L5P4ZJZZIGGV4PK2UM/ 2019年11月1日閲覧。 
  10. ^ a b “すなば珈琲鳥取駅前店 来月5日移転/鳥取”. 毎日新聞. (2019年6月15日). https://mainichi.jp/articles/20190615/ddl/k31/020/399000c 2019年11月1日閲覧。 
  11. ^ “「すなば珈琲1号店」“半地下”で復活 鳥取”. 産経新聞. https://www.sankei.com/article/20190710-YRVS5SZ2EZKAXJGGMJFHHZ5TAM/ 2019年11月1日閲覧。 
  12. ^ 鳥取市役所新本庁舎にオープンしたすなば珈琲に行ってきました! - とっとりずむ・2019年11月5日
  13. ^ 店舗情報 – すなば珈琲”. すなば珈琲. 2025年5月17日閲覧。
  14. ^ 店舗情報 – すなば珈琲”. sunaba.coffee. 2025年3月20日閲覧。
  15. ^ “東京でも、大阪でもない…鳥取最大のコーヒーチェーン『すなば珈琲』が、県外で唯一店舗を構える“場所”とは?”. 文春オンライン. (2025年4月20日). https://bunshun.jp/articles/-/78282?page=2 2025年4月20日閲覧。 
  16. ^ 公式サイト、俺の桶狭間
  17. ^ “「すなば珈琲」、中四国のセブンで販売 大山乳業と商品化”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2016年6月8日). https://www.nikkei.com/article/DGXLZO03339270X00C16A6LC0000/ 2017年11月25日閲覧。 
  18. ^ “関東でも入手可!鳥取・すなば珈琲監修の「豆乳飲料」、期間限定で発売へ”. Jタウンネット東京都. (2017年6月25日). http://j-town.net/tokyo/news/localnews/245092.html?p=all 2017年9月30日閲覧。 
  19. ^ “鳥取の味覚 すなば珈琲とコーヒーゼリー共同開発 25日から中四国限定販売 /鳥取”. デジタル毎日 (毎日新聞社). (2017年7月22日). https://mainichi.jp/articles/20170722/ddl/k31/020/570000c 2017年11月25日閲覧。 
  20. ^ ローソンニュースリリース(2017-01-06)
  21. ^ “すなば珈琲及び山崎製パンのコラボレーション商品の販売開始に 伴う知事表敬訪問について”. 県政一般・報道資料 (鳥取県). (2016年7月22日). http://db.pref.tottori.jp/pressrelease.nsf/webview/0824738AFCC6988949257FF800303654?OpenDocument 2020年10月21日閲覧。 

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