所得控除(しょとくこうじょ)(deductions from income)
収入のうち、条件に応じて決められた一定の金額を差し引くこと。所得税を計算するとき、すべての収入から各種控除を差し引いた課税所得によって納税額が求まる。
所得税は、すべての収入に対して課税されるのではなく、収入から一定の金額を差し引いた所得に対して課税される。つまり、所得控除が大きくなれば、所得税として納めるべき金額は小さくなる。
所得控除の代表的な例として、基礎控除(38万円)、給与所得控除(65万円)、配偶者控除(38万円)、扶養控除(38万円)などがある。例えば、アルバイトをしている独身世帯の人は、事業所が支払った給与から基礎控除と給与所得控除の分が差し引かれた金額に課税されるので、103万円を超える給与がなければ所得税はかからないことになる。
現在、日本の所得控除の分類に従うと、標準家庭のモデルケース(夫婦と子ども2人)では所得控除額が外国に比べて大きくなり過ぎると指摘されている。すなわち、配偶者特別控除(38万円)や特定扶養控除(63万円)の設定によって、所得税を納税しない世帯が全体の4分の1に上っているという。
政府税制調査会が小泉首相に答申した「あるべき税制の構築に向けた基本方針」では、配偶者特別控除の廃止などによって所得控除を縮小すべきだとしている。複雑になっている所得控除の制度を大幅に見直し、(1)基礎控除(2)配偶者控除(3)扶養控除の3つに簡素化する方針を盛り込んだ。
▲関連キーワード「所得税」
▲関連キーワード「課税最低限」
▲関連キーワード「政府税制調査会」
(2002.06.17更新)
しょとくこうじょと同じ種類の言葉
- しょとくこうじょのページへのリンク