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- 天保十一年版の山崎美成著『三養雑記』に曰く、「本朝国語に、伊豆国箱根権現の什物の中に悉難(しちなん)が揃毛(そそけ)あり。これ何物と云ふ事を知らず。又下総国豊田郡石下村東弘寺の什物の中にも七難の揃毛(そそけ)と云ふものあり。いろ五色にして長さ四丈有余、いまだ何物の毛なる事を知らず。相伝ふ江州竹生島信州戸隠山にも亦これあり。以て什物とす。往古異婦あり七難と名づく。其人の陰毛なりと。昔は長き物のたとへに引きいでて云ひけると見えて、尤草子の長き物の品々にも七なんがそそ毛とあり。物産家には山婆毛と云ふ物なるよしいへど、其実は如何にぞや…」。
- 七難が陰毛。神体若しくは宝物として崇拝せらるる陰毛をいふ。天保十一年版山崎美成著「三養雑記」に「本朝国語に伊豆国箱根権現の什物の中に悉難(シチナン)が揃毛(ソソゲ)あり、これ何物といふ事を知らず。又下総国豊田郡石下村東弘寺の什物の中にも七難の揃毛といふものあり、いろ五色にして長さ四丈有余いまだ何物の毛なることを知らず、相伝ふ江州竹生島信州戸隠山にも亦これあり、以て什物となす、往古異婦あり、七難と名づく、其人の陰毛なりと、昔は長きもののたとへに引きいでて云けるとみえて尤草子の長きものの品々にも七なんがそそ毛とあり、物産家には山婆毛と云ふものなるよしといへど其実は如何にぞや」とあり。「塩尻」にも「大和吉野の奥にてんの川といふ処の弁天の祠に七なんが陰毛あり」と出づ。
- 『塩尻』に「大和吉野の奥にてんの川といふ処の弁天の祠に七なんが陰毛あり云々」と出でたり。又『四神地名録』に「武州足立郡新皇村毛長明神は以前毛之神体とせしが不浄の毛を以て神体とするはあるまじ事とて毛長沼へ流せしとて今は無し云々」とあり。
南方熊楠氏の『七難がそそ毛考』並に久保盛丸氏の『陰毛崇拝』等を参照せよ。
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