さいだん座デルタ星とは? わかりやすく解説

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さいだん座デルタ星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/08 20:40 UTC 版)

さいだん座δ星
δ Arae
星座 さいだん座
見かけの等級 (mv) 3.62[1]
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  17h 31m 05.91272s[2]
赤緯 (Dec, δ) −60° 41′ 01.8522″[2]
視線速度 (Rv) 10 km/s[2]
固有運動 (μ) 赤経: -54.01 ミリ秒/[2]
赤緯: -99.25 ミリ秒/年[2]
年周視差 (π) 16.48 ± 0.34ミリ秒[2]
(誤差2.1%)
距離 198 ± 4 光年[注 1]
(61 ± 1 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) -0.3[注 2]
さいだん座δ星の位置(丸印)
物理的性質
半径 3.12 ± 0.15 R[3]
質量 3.56 M[4]
表面重力 9.7 G[3][注 3]
自転速度 255 km/s[5]
スペクトル分類 B8 Vn[2]
光度 161 L[6]
表面温度 11,962 ± 86 K[3]
色指数 (B-V) -0.10[1]
色指数 (U-B) -0.31[1]
年齢 1.25 ×108[7]
他のカタログでの名称
CPD-60 6842, FK5 648, HD 158094, HIP 85727, HR 6500, SAO 253945[2]
Template (ノート 解説) ■Project

さいだん座δ星(さいだんざデルタせい、δ Arae、δ Ara)は、さいだん座にある重星である。視等級は3.62で、肉眼でもみることができる[1]年周視差に基づいて推定した距離は、地球からおよそ198光年である[2]

特徴

重星

さいだん座δ星は、19世紀のジョン・ハーシェルによる観測以来、重星として知られる[8]。さいだん座δ星から、北西に47.4離れた位置に、11等級のK型巨星とみられる恒星があるが、半世紀にわたって運動を追跡した結果、この2つの恒星は見かけ上だけの組み合わせで、連星ではないと考えられる[9][10]。また、VLT補償光学による観測で、更に3つの恒星がさいだん座δ星の傍にあることが発見されたが、これらがさいだん座δ星と重力的に関係があるかはわかっていない[11]

一方で、位置天文学的な観測からは、さいだん座δ星が周期1,043日、半径0.4AU程度の円軌道を運動していることが示唆され、実際に連星である可能性がある[12][4]

物理

さいだん座δ星は、スペクトル型がB8 VnのB型主系列星である[2]。添字の"n"は、吸収線スペクトルの幅が高速の自転によって広がっていることを示す。自転速度は255km/s以上と推定され、赤道面の半径方向の半径より13%も大きくなっているとみられる[5][13]

名称

中国語

中国では、さいだん座δ星は龜三、つまりという星官の3番星とされていた[14]

アメリカのアマチュア博物学者アレンは、さいだん座δ星がζ星とともに天陰(Tseen Yin)と呼ばれると記したが、これはさいだん座(Ara)とおひつじ座(Aries)を混同したことによる誤りとみられ、実際おひつじ座に「天陰」という星官が存在する[15][16]

脚注

注釈

  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記
  3. ^ 出典での表記は、 17h 31m 05.91272s, −60° 41′ 01.8522″




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