この人を見よ (ニーチェ)とは? わかりやすく解説

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この人を見よ (ニーチェ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/22 13:53 UTC 版)

この人を見よ
Ecce homo
ニーチェの原稿タイトルページ
著者 フリードリヒ・ニーチェ
訳者 安倍能成
発行日 1908年(限定出版)、1911年(公刊)
発行元 ライプツィヒのインゼル書店
ジャンル 哲学自伝
ドイツ帝国
言語 ドイツ語
ウィキポータル 哲学
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この人を見よ』(原題:Ecce homo)は、フリードリヒ・ニーチェが発狂する直前の1888年11月4日に原稿が完成していた自伝[1][2]。ニーチェの存命中に出版される予定だったが出版社が保留していて、ニーチェの死から8年後の1908年に妹のエリーザベト・フェルスター=ニーチェの合意に基づき出版した[1]

なぜ自身が賢明かを皮肉を交えつつ自画自賛を述べ、同時に『悲劇の誕生』や『ツァラトゥストラはこう語った』など、それまでに出されたニーチェの著作を自ら総括している。題名のラテン語Ecce homo”は新約聖書ヨハネによる福音書』の19章5節から引用されたものである。

フェミニズム批判

同書でフェミニズム女性の解放)「解放された女(フェミニスト)」を、痛烈に批判し「女性の解放、これは出来損ないの女、つまり子供を産めなくなってしまった女が、出来のいい女に抱く本能的憎悪である」[3]とまで評し、ニーチェ研究で知られる適菜収はニーチェの発言の真意や現代の解釈での評を書き、「過激ながら人間の真実」と書き、また民主主義と共にフェミニズムを「背景にキリスト教を持つ宗教であり、女性の劣化の原因」「フェミニストに美女がいないのも、この理由」と評す[4]

参考文献

他の日本語訳

脚注

  1. ^ a b 西尾幹二「解説」(新潮 1990, pp. 215–222)
  2. ^ 「年譜」(悲劇 2004, pp. 263–273)
  3. ^ この人を見よ (光文社古典新訳文庫 Bニ 1-5) 文庫 – 2016/10/12 同版では「女性や障害者の方に対する、差別的な表現が出てきますが、時代背景などから著者に差別意図はないことを考慮して原文のまま記しています」との記載が
  4. ^ ニーチェ、愛の言葉 美女をつくる60の条件 単行本 – 2010/6/16 適菜収(著) 16p-29p(特に22p-23p)や78p-79p
  5. ^ 元版は白水社版・第2期「ニーチェ全集 第4巻」、なお旧新潮文庫版は阿部六郎訳
  6. ^ 初版は1969年、旧岩波文庫版は安倍能成訳(初版は1928年)

関連項目

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