狂牛病(きょうぎゅうびょう)
牛が狂牛病に感染すると、脳を冒され、歩くことさえできなくなる。その後は、死に至る。牛が狂ったように見えることから、「狂牛病」と呼ばれる。
狂牛病は、プリオンという特殊なたんぱく質が病原体となって感染する。脳に小さな穴が無数に開き、その様子がスポンジ状に見えるのが特徴だ。そのため、狂牛病の正式名称は、ウシ海綿状脳症となっている。新たな感染を防ぐため、狂牛病が確認された牛、またはそのおそれのある場合は処分される。
1986年にイギリスで初めて狂牛病が見つかった。発見された当時は、人への感染はないと考えられていたが、1996年になって、クロイツフェルト・ヤコブ病との関係が指摘された。その後、牛肉の安全性を不安に思う消費者の心理もあって、EU諸国を中心に社会的な大問題となった。
牛から人への感染により、イギリスでは、すでに死亡例が出ている。まだ狂牛病の研究が進んでいるとは言えないため、感染経路を解明するとともに、必要な対策を早急に取る必要がある。専門家によると、普段食べている牛肉や乳製品などから人へ感染するリスクはきわめて低いとされている。
農林水産省と厚生労働省は、人獣共通感染症としての狂牛病が日本にも上陸したことを受けて、その対応に追われている。
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(2001.09.27更新)
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