お座敷列車_(門司鉄道管理局)とは? わかりやすく解説

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お座敷列車 (門司鉄道管理局)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/14 02:30 UTC 版)

国鉄12系客車 > お座敷列車 (門司鉄道管理局)
山編成(改造当初)

お座敷列車(おざしきれっしゃ)は、日本国有鉄道(国鉄)が1980年昭和55年)および1983年(昭和58年)に改造製作した鉄道車両(和式客車)で、ジョイフルトレインと呼ばれる車両の一種である。1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化以降は九州旅客鉄道(JR九州)に継承され、1995年平成7年)まで保有していた。

概要

門司鉄道管理局では従来から保有していたスロ81系お座敷客車が老朽化してきたのと、波動輸送用として保有していた12系客車が余剰となってきたことから、小倉工場で12系を改造して導入した和式客車(お座敷客車)である。

1980年と1983年に1編成ずつ、合計2編成が導入された。これは12系改造の和式客車としては全国初のもので、これに続く形で全国各地に12系改造のジョイフルトレインが登場することになる。

1980年に導入した編成には特に愛称は付けられなかったが、各車両に九州の海の名称が付けられており、「山編成」の登場後は区別のため「海編成」と呼ばれるようになった。1983年に導入した編成には各車両に九州の山の名称が付けられ、編成には「山編成」の愛称が付けられた。

編成

いずれも12系客車より改造されており、両端の車両はスロフ12形800番台、中間の車両はオロ12形800番台である。すべてグリーン車扱いであった。

以下「」内は車両の愛称、( )内は旧番号。

海編成

6両編成で、各車には九州周辺の海の名称が愛称名として付けられている。

  • 1号車:スロフ12 801「錦江」(スハフ12 51) - 定員42名
  • 2号車:オロ12 801「日向」(オハ12 133) - 定員44名
  • 3号車:オロ12 803「周防」(オハ12 134) - 定員44名
  • 4号車:オロ12 804「玄海」(オハ12 135) - 定員44名
  • 5号車:オロ12 802「西海」(オハ12 136) - 定員44名
  • 6号車:スロフ12 802「有明」(スハフ12 52) - 定員42名

山編成

スロフ12 818の車内。座椅子と座卓を置いた状態。

6両編成で、各車には九州の山の名称が愛称名として付けられている。

  • 1号車:スロフ12 817「桜島」(スハフ12 77) - 定員44名
  • 2号車:オロ12 833「高千穂」(オハ12 263) - 定員46名
  • 3号車:オロ12 834「九重」(オハ12 262) - 定員46名
  • 4号車:オロ12 835「阿蘇」(オハ12 261) - 定員46名
  • 5号車:オロ12 836「雲仙」(オハ12 260) - 定員46名
  • 6号車:スロフ12 818「開聞」(スハフ12 66) - 定員44名

構造

スロフ12形ではトイレと反対側(乗務員室側)のドアの隣の窓1枚が、オロ12形ではトイレと反対側のドアとその隣の窓1枚がそれぞれ塞がれている。山編成では窓を塞いだ部分に九州をイメージしたシンボルマークが入れられている。車体塗装については、地色は従来と同じ青20号のままであるが、2本の白帯は消され、窓下に従来の白帯より太い淡緑6号の帯を入れている。

車内は海・山編成とも3号車のみ洋風(カーペット敷き)で、それ以外はお座敷構造である。山編成では窓に障子がはめこまれているほか、3号車に舞台装置が設置されている。

運用

当初はいずれも鳥栖客貨車区に配置され、同区の廃止に伴い門司客貨車区に転属した。その後、門司客貨車区の統合により海編成は熊本客車区に、山編成は門司港運転区に配置され、JR九州に承継された。

1987年に海編成のリニューアルが行われた。外部塗装はダークグリーン地に車体上部と窓下に金色の帯を入れた塗装に変更された。車内は壁や天井の板が張り替えられ、内装の塗装が一部変更された。山編成も1988年(昭和63年)末に同様にリニューアルされている。

1995年1月および3月に、JR九州のジョイフルトレイン全廃により両編成とも廃車となった。

参考文献

  • 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』1986年11月号(通巻471号)特集:12系客車
  • 交友社『鉄道ファン』1987年11月号(通巻319号)p56 和式客車が大変身「白樺」・「海」編成

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