エッチツー‐ロケット【H-Ⅱロケット】
H-2Aロケット(えいちつーろけっと)
宇宙開発事業団が開発した純国産であるH-2ロケットの改良型で、全長53mの2段式ロケットである。標準型を使うと、上空の静止軌道(高度3万6000km)に4t級の人工衛星を打ち上げることができる。さらに、大型液体燃料ロケットブースターを追加装備することで、最大7.5t級の静止衛星を打ち上げることが可能である。
現在主力のH-2ロケットでは、1回の打ち上げに約190億円の費用がかかる。この水準は、商業用衛星打ち上げの国際的な市場において、かなり割高となっている。そこで、H-2Aロケットでは、エンジンの構造を簡略化し、1回の打ち上げ費用を90億円まで引き下げることに成功した。
H-2Aロケットは、当初2000年春にも第1号機が打ち上げられる予定だった。しかし、1998年2月には通信放送技術衛星(COMETS)を積んだH-2ロケット5号機、続く1999年11月には運輸多目的衛星(MT-SAT)を積んだH-2ロケット8号機が相次いで打ち上げに失敗した。H-2Aロケットもほぼ同じ仕様であることから、開発計画の見直しが行われ、完成は早くても2001年2月以降にずれ込むことが確実である。
(2000.05.27更新)
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