いつの時代の遺跡か? - 女神像の真贋
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「グリムズ・グレイヴス」の記事における「いつの時代の遺跡か? - 女神像の真贋」の解説
最初に本格的な調査を行ったウィリアム・グリーンウェルは、この遺跡を新石器時代のものとしたが、当時の考古学者はグリーンウェルの発表に疑いを唱え、(数千年級の新石器時代ではなく、数十から百万年級の)旧石器時代にまで遡るのではないかとする考古学者が多かった。後年さらに調査が行われ、グリーンウェルの説が裏付けられた。 しかし、旧石器時代説を信じる考古学者のレスリー・アームストロング(Leslie Armstrong)は、調査隊を率いて1937年から1939年にかけて調査を行い、坑内の奥底から石灰岩を加工した「女神像」(Chalk goddess)を発見した。これは当時の採掘者たちはフリントが地下で大地母神によって「育てられて」いると信じていた可能性を示す発見であると同時に、女神像の姿は明らかに旧石器時代の特徴を示しており、アームストロングはグリムズ・グレイヴスが旧石器時代に遡る証拠と考えた。この女神像は有名になったが、1921年に発見されたばかりの旧石器時代の彫刻に酷似しているという指摘があり、贋作の疑いももたれた。様々な出土品は遺跡が新石器時代のものであることを示していた。 後年の再調査で、この女神像はアームストロング調査隊の誰かがアームストロングを欺くために作った偽物であるという疑いが濃厚となった。アームストロング自身は、遺跡が旧石器時代のものであると信じていたが、彼の調査からは青銅器時代の証拠も発見されている。いずれにせよ、地殻変動で地表からは見えなくなってしまっているが、もっとたくさんの遺跡が周囲にあるであろうことはわかっている。
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