『銀球で』
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「イェジイ・ジュワフスキ」の記事における「『銀球で』」の解説
Na Srebrnym Globie(銀球で) - 初版は1903年、ルヴフにて シリーズ第一巻たる本作は、誤算に基づいた、悲惨な月世界探検の物語である。21世紀、多国籍の探検隊が(ヴェルヌの『月世界旅行』風の砲弾宇宙船に乗って)月へ向かう。宇宙船は月面に硬着陸し、イギリス人、アイルランド人は死亡。帰還の望みは絶たれる。 ポーランド人の主人公(物語は彼の手記という形を取る)ヤン・コレツキー(Jan Korecki)、ドイツ人女性のマルタ、ブラジル系ポルトガル人のペドロは、空気と水を求めて月の裏側を目指す。彼らは辛うじて生存できる地に辿りつき、マルタとペドロは結ばれ、奇形の「月人」第一世代が誕生する。恋に破れ傷心の主人公は彼らとは隔絶して「月人」の観察と記録に専心する。「月人」たちは近親相姦で世代を重ねてゆき、地球帰還という悲願を実現してくれる「救済者」の来訪を待つ宗教を作り出す。 半世紀近く後。マルタとペドロはとうに亡く、コレツキーも老いて死にかけていた。しかし彼は最期の力を振り絞ってかつての不時着地点を目指し、宇宙船に積まれていた連絡用小型ロケットで手記(この小説)を地球に送り出す。
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