「近松」の由来
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 00:17 UTC 版)
近松門左衛門の「近松」という名の由来については、明らかではない。これを「近松寺」という寺に関わりがあったことによるとする話があり、『音曲道智編』には、 「…始めは堂上方に仕官して、其後近江のちか松寺に遊ぶゆへ、此苗字を呼けり」 とあり、近江国大津の近松寺を由来とするが、『嬉遊笑覧』には、 「…越前人、少き時肥前唐津近松寺に遊学し、後京師に住す」 と肥前国唐津の近松寺の事とする。さらに『戯財録』には、 「肥前唐津近松禅寺小僧古澗、碩学に依て住僧と成、義門と改む…肉縁の弟、岡本一抱子と云大儒の医師京都にあれば、是に寄宿して堂上方へも還俗して勤仕の間…」 とあって、近松はもと僧侶であったのが後に還俗し公家に仕えたと記す。他には「近松」とは母方の姓だという話もある(近松春屋軒『近松門左衛門伝』)。しかし「これらの説は近松没後、五十年ないし百年後のものであり、むしろ近松という名が共通するところから後に加えられた伝説であろう」といわれている。
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