「一発試験」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/18 16:07 UTC 版)
騎手免許を統括するJRA・NARのいずれも、騎手免許試験については上記の養成機関への在籍経験を持たない人物でも、必要条件を満たせば受験自体は可能としている。 このため、上記の養成機関を経ずに、あるいは上記の養成機関に入ることができなくとも、あるいは中退を余儀なくされても、騎手として必要な乗馬技術を持っていれば、俗に「一発試験」などと呼ばれる形で騎手免許試験を受験すること自体は可能であり、合格すれば騎手免許を手にすることができる。小牧加矢太は競馬学校入学を断念したが、その後馬術競技選手として活動したのち2021年度騎手免許試験を受験して合格し、2022年に障害限定で騎手免許を取得している。 日本国外で競馬の世界に入り見習騎手等の形で騎乗経験を積むなどの手順を踏んで受験する騎手もいる。現在までにこのような手順で「一発試験」を突破し騎手免許を取得した者には、中央競馬では横山賀一と藤井勘一郎、地方競馬では中村尚平・笹田知宏の例があるが、非常に少ない。また、中村と笹田は帰国後に地方競馬の厩舎に入り調教厩務員を経験している。 また、特に地方競馬では、最初はまず厩務員として厩舎に入り調教騎乗などの実務の実践経験を現場で習得して調教担当厩務員などとなる、つまりは厩舎・競馬場での実践で受験に必要な技術を身に付け、その上で「一発試験」で受験→合格という手順を踏んで騎手となる方法がある。この厩舎で実務経験を積んで「一発試験」を受け騎手になったという経歴を持つ人物は数多いが、中にはJRA・地方競馬の騎手養成課程で中途断念を余儀なくされた人物が、再び騎手を志して厩舎に入り、「一発試験」を乗り越えて晴れて騎手免許を手にするケースも見られる。このような「再起」の経緯を持つ騎手としては石崎駿・安藤洋一などの例がある。なお、これは一見すれば大きな遠回りをしている様に見えるが、JRA競馬学校騎手課程を中途退学後に地方競馬の厩務員を経て「一発試験」で騎手免許を取得した石崎駿のケースでは、結果的に同時に競馬学校に入学した競馬学校騎手課程第18期生よりも半年以上早く騎手デビューを果たすことになった。
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