「ネイティブアメリカンの姫」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/26 07:23 UTC 版)
「ポカホンタス」の記事における「「ネイティブアメリカンの姫」」の解説
イギリス人たちは、ネイティブアメリカンの社会を自分たちと同じような君主制の身分社会だと誤解し、上述したようにポカホンタスを「ネイティブアメリカンの姫(プリンセス)」だと説明して、植民のプロパガンダに利用した。ヴァイン・デロリア・ジュニア(スー族)は、その著書の中で、ポカホンタスやポウハタン族について、こう述べている。 慈悲深き専制君主の下での暮らしに慣れた初期の入植者たちは、ネイティブアメリカンたちの社会構造を説明しようとする際に、ヨーロッパの政治機構をネイティブアメリカンに反映させて理解しました。ヨーロッパの王家は「前科者」と「年季奉公人」によって閉鎖させられたので、入植者たちはすべてのネイティブアメリカンの少女たちを「お姫様」に仕立て上げ、自分たちが創り上げた社会的地位を押し上げようとしました。こんなことが次の世代にも続くなら、アメリカの人口の大半はポウハタン族の親戚になってしまうでしょう。現実の「ネイティブアメリカンのおばあちゃん」は、子供たちにとってはこの上ない存在なのでしょうが、なぜ多くの白人たちがそれほど、遠い「ネイティブアメリカンのお姫様の血筋のおばあちゃん」を欲しがるのでしょう? それは彼らが「異邦人」として分類されることを恐れているからでしょうか? 彼らは「アメリカ人」であるということが、ある「危険性」を伴うフロンティアに触れてしまうがために、このような「血縁関係」を必要としているのでしょうか? あるいはそれは、ネイティブアメリカンを扱う際に、罪の意識に直面しないようにする試みなのでしょうか?
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