λ環
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/10 15:42 UTC 版)
λ環は、ボイジャー2号が1986年に発見した2つの環のうちの1つである。狭く希薄な環で、ε環のすぐ内側、ε環と羊飼い衛星コーディリアの間に位置する。この衛星は、λ環のすぐ内側の暗い帯を一掃している。後方散乱光で見ると、λ環は約1から2kmと非常に狭く、波長2.2μmでの等価光学的深さは0.1から0.2 km、光学的深さも0.1から0.2である。λ環の光学的深さは波長に強く依存するが、これは天王星の環では珍しいものである。等価深さは、紫外線でせいぜい0.36 kmであり、これは、ボイジャー2号で紫外線のみの掩蔽で観測されたという事実を説明する。1996年には、2.2μmの波長の掩蔽で検出されたということだけが発表された。 λ環の見え方は、1986年に前方散乱光の下で観測した際には、大きく違って見えた。この方向からでは、この環は、ε環を上回り天王星の環の中で最も明るく見えた。この観測では、光学的深さが波長に依存することが明らかになるとともに、λ環には多量のμmサイズの塵が含まれることが分かった。この塵の光学的深さは、10−4から10−3である。2007年のケック天文台における環が平面を横切る様子の観測によっても、δ環は天王星の環の中で最も明るく見え、この事実が裏付けられた。 ボイジャー2号の画像の詳細な分析で、λ環の明るさの方位角による変化が明らかとなった。この変化は、定常波のように周期的であった。このλ環の微細構造の起源は、未だ謎のままである。
※この「λ環」の解説は、「天王星の環」の解説の一部です。
「λ環」を含む「天王星の環」の記事については、「天王星の環」の概要を参照ください。
- >> 「λ環」を含む用語の索引
- λ環のページへのリンク