αヘリックス膜貫通型タンパク質の安定性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 01:11 UTC 版)
「膜貫通型タンパク質」の記事における「αヘリックス膜貫通型タンパク質の安定性」の解説
膜貫通型αヘリックスタンパク質は、膜内で完全にアンフォールディング(unfolding; 折り畳みの展開)しないため、熱変性の研究から判断すると非常に安定している (完全にアンフォールディングするには、非極性媒体中であまりにも多くのαヘリックス水素結合を切断する必要がある)。一方、これらのタンパク質は、膜内での非天然の凝集、モルテン・グロビュール(英語版)状態への移行、非天然ジスルフィド結合の形成、または局所的に不安定な周辺領域や非規則的なループのアンフォールディングのために、容易にミスフォールディング(misfold; 誤った折り畳み)する[要出典]。 また、アンフォールド状態を適切に定義することも重要である。界面活性剤ミセル内の膜タンパク質のアンフォールド状態は、熱変性実験の状態とは異なる[要出典]。この状態は、折り畳まれた疎水性αヘリックスと、界面活性剤で覆われた部分的に折り畳まれていないセグメントの組み合わせを表している。例えば、ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)ミセル中の「アンフォールド」のバクテリオロドプシンは、4つの膜貫通型αヘリックスが折り畳まれているが、タンパク質の残りの部分はミセルと水の界面に位置しており、さまざまなタイプの非天然両親媒性構造を採ることができる。このような界面活性剤変性状態と天然状態の間の自由エネルギーの差は、水溶性タンパク質の安定性 (< 10 kcal/mol)と同じようなものである[要出典]。
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