日本音楽コンクール 日本音楽コンクールの概要

日本音楽コンクール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/31 09:50 UTC 版)

概要

本コンクールは、戦前から続く音楽競技である。審査員は日本国内の著名な音楽家演奏家作曲家が名を連ねるが、原則として音楽評論家は参加できない。声楽部門は35歳以下、その他の楽器の部門はすべて29歳以下である。作曲部門は年齢制限がないが、過去4回以上入賞・入選した者は参加できない。

コンクールの本選会の模様は、後日作曲部門を除きNHK教育テレビ放映され、別日にNHK-FMにおいても放送される。また毎日新聞の紙面上において後日、詳細な審査結果が公表される。本選会の賞金は、第1位が60万円、第2位が30万円、第3位が15万円である。

本選会の優勝者(最高位)には、作曲部門以外は毎年3月に開催される「受賞者発表演奏会」への出演資格が与えられる。

作曲部門は2018年より譜面審査のみによって行われる方式に変更されたが多くの批判を招いた。そのため2023年から演奏審査は復活したが、一般非公開のうえNHKのスタジオで行われる[2]。2023年度以降、複数作応募が可能になっている。

歴史

1932年時事新報社(現在の産経新聞)の主催により「音楽コンクール」が発足し、その後一時を除き毎年開催されている。当時の本選会会場は日比谷公会堂であった。

1937年、第6回より主催者が東京日日新聞および大阪毎日新聞(毎日新聞社)となることが決定したが、開催は延期され翌1938年4月に行われた。審査は声楽、バイオリン、ピアノ、作曲の4部門で行われ、各部門で第1位(1位を「なし」とすることあり)を決めた上で特に卓越したものに対して大賞が贈られることとなっていた(結果的に大賞受章者は第1回の甲斐美和のみとなった)[3]。 第7回は第6回の約半年後である1938年11月に行われ、審査部門は弦楽(バイオリン、チェロなど)、ピアノ、作曲、声楽の4部門に、従来の大賞に相当する賞として文部大臣音楽賞が設けられるなどの変更があった。文部大臣音楽賞は、この年、弦楽(バイオリン)で第1位を獲った辻久子が受賞している[4]

第13回(1944年)では戦争の激化の影響(敵性語排除)もあり、一時大会名が「音楽顕奨」に変更される。1945年に予定されていた第14回は戦後の社会情勢の混乱もあり、翌年(1946年)に延期され、また、大会名も「音楽コンクール」に戻された。なお、1946年は春と秋の2回開催された。第18回(1949年)より、コンクールの大規模化への対応および、知名度の上がりつつあるコンクールの質を更に高めることを目的としてNHKが主催者に加わると同時に予選と本選の全国中継が始まった。

第51回(1982年)より、コンクールの名称を現在の「日本音楽コンクール」に改称。第62回(1993年)より本選会の会場が東京芸術劇場に変更される。

第67回(1998年)より、本選会の会場が現在の東京オペラシティのコンサートホール・タケミツメモリアルに変更される。第72回(2003年)より本選会に「聴衆賞」(聴衆が最も良いと判断する1名を選択し投票)が新設される。


  1. ^ 楽壇最高の登竜門として知られている「日本音楽コンクール」の開催は、すでに80回を超えている。”. oncon.mainichi-classic.jp. 毎日クラシック. 2019年12月30日閲覧。
  2. ^ 開催日および会場”. oncon.mainichi-classic.net. oncon.mainichi-classic.net. 2023年4月12日閲覧。
  3. ^ 東京日日・大阪毎日の主催に移る『東京日日新聞』(昭和12年1月11日)『昭和ニュース事典第6巻 昭和12年-昭和13年』本編p58 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年
  4. ^ 初の文部大臣賞に十三歳の辻久子『東京日日新聞』(昭和13年11月21日)『昭和ニュース事典第6巻 昭和12年-昭和13年』本編p59


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