国道229号
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/14 13:34 UTC 版)
歴史
現行の道路法(昭和27年法律第180号)に基づく二級国道として1953年(昭和28年)5月18日政令第96号で第一次指定された国道路線の一つで、二級国道229号、路線名は小樽江差線と名付けられた。1965年(昭和40年)4月1日の道路法改正(昭和39年7月9日法律第163号公布)に伴い、一級国道と二級国道が廃止統合されたことにより一般国道になり、在来の路線名はなくなって一般国道229号が正式な路線名となった。
終点は指定当初から江差町であるが、政令による終点表記は、1953年(昭和28年)の二級国道指定時は江差郡江差町[6]、1965年(昭和40年)の改正時は「桧山郡江差町」と表記されていた[7]。1993年(平成5年)の改正で現在の表記となった。
国道229号が周回する積丹半島は、国道指定以来、険しい海岸食との戦いに明け暮れる区間であり、膨大な数の旧道が失われ続けてきた[8]。かつては、海食洞をくぐるように国道が通り、その前後にトンネルでつなげた、他の国道では見られないような区間も存在した[8]。1996年(平成8年)に積丹半島西部の未供用区間の開通によって全線が開通[9]。平成期になってからトンネルが崩落する災害が2度発生し、災害復旧で迂回する新トンネルを開通させている。
年表
- 1953年(昭和28年)5月18日 - 二級国道229号小樽江差線(小樽市 - 北海道江差郡江差町)として指定施行[6]。
- 1962年(昭和37年)10月17日 - 爾志郡熊石町(現・二海郡八雲町熊石地区) - 爾志郡乙部村(現・乙部町)境付近の豊浜(現在の豊浜トンネルの海側に位置する旧道箇所)において山津波(土石流)が発生。国道を走行中の路線バス(函館バス)が海中に押し出されるなど17名が死亡・行方不明、バスは現在も引き上げられていない[10]。
- 1965年(昭和40年)4月1日 - 道路法改正により一級・二級区分が廃止されて一般国道229号(小樽市 - 北海道桧山郡江差町)として指定施行[7]。
- 1982年(昭和57年)4月1日 - 古平郡古平町から古宇郡神恵内村までの区間を北海道道998号古平神恵内線として北海道に移管し、国道229号は積丹郡積丹町を経由する路線として経路を変更[11]。当時は積丹半島に未開通区間を残していた。
- 1996年(平成8年)
- 1997年(平成9年)8月25日 - 島牧村の第2白糸トンネルが崩落。1999年(平成11年)4月8日に現場を迂回する白糸トンネル供用開始。
- 2004年(平成16年)9月8日 - 平成16年台風第18号で発生した高波によって神恵内村の大森大橋や道の駅オスコイ!かもえない[14]が被災し、橋げたの落下や施設の破損が発生。同年12月10日に残った橋脚に鋼鉄製の橋桁を乗せる形で大森大橋が仮復旧。2007年(平成19年)3月21日には現場を迂回して既存のウエンチクナイトンネルに接続した大森トンネル[注釈 5]の供用開始。道の駅も2010年(平成22年)4月24日に営業を再開した[15]。
- 2021年(令和3年)6月6日 - 乙部町館浦から鳥山間(館の岬トンネル小樽側出口付近)で約7,000 m3の土砂が崩落し不通になった。現道による応急復旧が困難であることから、道路管理者である北海道開発局は、迂回ルートとして乙部町緑町から鳥山を結ぶ北海道道460号乙部厚沢部線・乙部町道姫川富岡線・北海道道1061号旭岱鳥山線[注釈 6]の迂回路区間を2021年(令和3年)8月20日から国道229号に編入して対処している[16]。
注釈
出典
- ^ a b c 佐々木・石野・伊藤 2015, p. 37.
- ^ “一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2013年5月18日閲覧。
- ^ a b 道路豆知識 国土交通省北海道開発局小樽開発建設部のページより。2017年8月27日閲覧。
- ^ a b c d e f g “表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況” (XLS). 道路統計年報2023. 国土交通省道路局. 2024年4月14日閲覧。
- ^ “一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2013年5月18日閲覧。
- ^ a b ウィキソースには、二級国道の路線を指定する政令(昭和28年5月18日政令第96号)の原文があります。
- ^ a b 一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)
- ^ a b 平沼義之 2018, p. 105.
- ^ a b c “積丹半島周遊道が誕生”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1996年11月6日)
- ^ 北海道渡島半島西海岸の乙部村豊浜地域に発生した地すべり・石田政夫 (PDF) 2018年10月7日閲覧。
- ^ “一般国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令(昭和56年4月30日政令第153号)”. 法庫. 2013年5月18日閲覧。
- ^ “写真特集:主なトンネル事故”. 毎日新聞社 (2012年12月2日). 2012年12月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年5月18日閲覧。
- ^ 川村信人. “豊浜トンネル崩壊事故と積丹半島の岩盤 道路の安全と地質学”. 北海道大学. 2013年5月18日閲覧。
- ^ “自然災害による「道の駅」の被災状況一覧表(平成17年6月1日現在)”. 国土交通省中国地方整備局. 2013年5月18日閲覧。
- ^ “道の駅 オスコイ!かもえない”. 北海道じゃらん. リクルート. 2013年5月18日閲覧。
- ^ “国道229号乙部町館浦岩盤崩壊への対応” (PDF). 国土交通省北海道開発局 (2021年8月21日). 2021年8月25日閲覧。
- ^ a b 須藤英一 2013, pp. 32–33.
- ^ にしんルネサンス - 「にしん街道」標柱の設置より。2018年6月10日閲覧。
- ^ a b 佐藤健太郎 2014, p. 146、「橋とトンネル」より。
- ^ 後志十景カブトラインの由来 (後志十景カブトラインの碑). 古売郡泊村泊村字照岸: 泊村観光協会.北緯43度4分45.5秒 東経140度28分46.3秒
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