名詞 日本語以外の言語における名詞の特徴

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名詞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/23 05:49 UTC 版)

日本語以外の言語における名詞の特徴

日本語以外の言語における名詞の特徴をいくつか示す。

名詞の示すものの個数を示すとき、日本語や中国語などでは助数詞を用いる。一方、多くの言語で名詞を直接数えることができる。この名詞の示す数を(すう)と呼び、少なくとも「単数」と「複数」がある[注釈 2]。ただしそれらの言語でも全ての名詞を数えられるわけではなく、抽象名詞などは数えられない。数えられる名詞を可算名詞、そうでないものを不可算名詞と呼ぶ。一般に後者は単数形しかない。意味により可算と不可算に分かれることもある。例えば英語paper は、の意味なら不可算で two sheets of paper などというが、新聞論文の意味なら可算で、two papers などという。なお、人名(特に苗字)については、複数になり得る(例えば、「the」+「苗字の複数形」で「〜家」という意味になる(the Tanakasは「田中家」)。また、血縁関係がなくても複数の同姓の人を指す場合には複数形が用いられる(例えば、新聞などでtwo Matsui'sという表現もあった)。

性・クラス

数を持つ言語の多くは、文法上のも持つ。全ての名詞が特定のグループ(男性と女性など)に分けられ、名詞を修飾する形容詞限定詞、およびそれに対応する代名詞が名詞の性に応じて変化することが多い。例えばフランス語では、soleil太陽を意味する男性名詞、luneを意味する女性名詞であり、冠詞が付くとそれぞれ le soleilla lune になる。英語は、数を持つ言語としては珍しく名詞自体の性を持たず、わずかに三人称単数の代名詞he, she, it が区別されるだけである(ただし、名詞によっては代名詞を男性のhe、あるいは女性のsheで置き換えるなどのものがある。前者は複数人の意味を内包するものの、英文法上単数とされるeveryoneなどの性別不明の人を指す場合、後者はshipなど特定の物体や政治的・文化的用法における国[注釈 3]についてである)。

実際の性と一致する場合もあるが、そうでないことも多く、また、各々の名詞との対応付けも言語ごとに異なり、一貫性がない。例えば、「太陽」を意味するフランス語のsoleilスペイン語solはともに男性名詞であるが、ドイツ語Sonneは女性名詞であり、一方、「月」を意味するフランス語lune、スペイン語lunaは女性名詞であるのに対して、ドイツ語Mondは男性名詞である。結局、「性」と言いながら、実際は、同様の規範性を有する名詞集合の呼称であって、言語によっては5以上に分類されるものもあるため(「性 (文法)#性の数」参照)、自然の性にとらわれない「名詞類」「名詞クラス」と言う用語を使用することもある。

表記

標準ドイツ語正書法では全ての名詞の頭文字大文字にしなければならない。


注釈

  1. ^ 英語:noun, substantive, フランス語:nom, substantif, ドイツ語:Hauptwort, Dingwort, Substantiv[1]
  2. ^ その他、目や耳といった2個揃いのものを表す「双数」という概念を有する言語もある。
  3. ^ 但し、雅語的表現または特に親愛の情をこめたときの表現であって、一般にはitで受ける。また、国名は地理的用法の場合は、itで受ける[8]

出典

  1. ^ a b c 亀井ほか編 1996: 1327.
  2. ^ a b c d Koptjevskaja Tamm 2006: 720.
  3. ^ Givón 1984: 51.
  4. ^ 亀井ほか編 1996: 1329.
  5. ^ Mithun 2000.
  6. ^ 普通名詞 - コトバンク
  7. ^ 「チンする」9割に浸透=慣用句は誤用が増加—国語に関する世論調査・文化庁” (2014年9月24日). 2014年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年1月29日閲覧。
  8. ^ 研究社 『新英和大辞典』第6版など


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