十勝川
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/04 22:36 UTC 版)
十勝川 | |
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上流部の十勝川(新得町屈足)岩松橋 | |
水系 | 一級水系 十勝川 |
種別 | 一級河川 |
延長 | 156 km |
平均流量 |
221 m³/s (茂岩 1968年 - 2004年) |
流域面積 | 9,010 km² |
水源 | 十勝岳(新得町) |
水源の標高 | 2,077 m |
河口・合流先 | 太平洋(豊頃町) |
流域 |
日本 北海道十勝総合振興局管内 |
名称の由来
本川の河口付近から生じたとされる「トカㇷ゚チ」の名称から生じた名であるが、原義は忘れられている[1]。
地理
北海道上川郡新得町の北西に位置する十勝岳近くに源を発し南東に流れる。多くの支流を集め、中川郡豊頃町で太平洋に注ぐ。
流域面積は十勝総合振興局管内の約9割にあたる9,010km2を占め、全国6位、北海道2位の広さを持つ。上流より十勝ダム、岩松ダム、屈足ダムの3つのダムがある。
十勝平野は石狩平野に比べると台地状の地形が多く、河川の周辺の低地は石狩川ほど広くはない。そのため周辺には石狩川に見られるような三日月湖がほとんどなく、治水・河川改修工事が盛んに行われるようになってからも石狩川のように極端に川の長さが短くなるような流路変更はない。
源流部は原生自然環境保全地域に指定されている。
十勝沖地震などの大規模地震が多いため、津波が発生した場合は長距離にわたって遡上することもある。
2023年(令和5年)9月に現河道である十勝川統内新水路が土木学会選奨土木遺産に認定された[2]。
生物
昔は魚種も豊富で、サケの大群での遡上が見られたほか、2 m以上のイトウが釣れたという記録がある。十勝川温泉より少し下流に千代田堰堤があり、現在でも川幅いっぱいに作られた大きな堰堤で秋にはサケの捕獲が行われ、地元の名物となっている。しかし近年の複数のダムの完成や水質の汚染などで魚の種類・量ともかなり減っている。
上流域はエゾシカが多く生息している。近年は畑の作物への食害に悩まされるなど増加の傾向にあるが、その生息数は気象の変動に左右され、1879年(明治12年)の大豪雪では餌が摂れずに餓死したエゾシカの死体が大量に川に流れ込み、春になると下流では悪臭がたちこめ川水が飲めなくなったという記録が残されている。
中流域の十勝川温泉付近に架かる十勝中央大橋周辺は、冬になるとハクチョウが飛来する[3]。地元テレビの中継があるなど注目されている。
災害史
流域の自治体
- ^ 山田秀三『北海道の地名』(2版)草風館、浦安市〈アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 別巻〉、2018年11月30日、286頁。ISBN 978-4-88323-114-0。
- ^ “土木学会 令和5年度度選奨土木遺産 十勝川統内新水路”. www.jsce.or.jp. 土木学会. 2023年9月25日閲覧。
- ^ “白鳥飛来地”. 音更町十勝川温泉観光協会. 2015年1月29日閲覧。
- ^ 日外アソシエーツ編集部 編『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年9月27日、163頁。ISBN 9784816922749。
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