九州配電
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配電区域
第2次統合完了後の九州配電の配電区域は、福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県の8県である[43]。設立命令書が指定する配電区域も同様で、他の地域の配電会社にみられるような「当分の間」府県境によらない配電区域境界線を設けるといった措置はない(北海道配電も同様)[4]。
区域中、沖縄県と鹿児島県大島郡は太平洋戦争終戦に伴いアメリカ合衆国の施政権下となったことから事実上供給区域から削除された[44]。従って1951年の電気事業再編成により九州配電を引き継ぎ発足した九州電力では、沖縄県を除いた九州7県のみが供給区域とされた[1]。その後大島郡には大島電力が設立され、日本返還後も九州電力と分立した状態が続いたが1973年(昭和48年)に同社へ吸収されている[45]。
一方沖縄県にあたる地域では、琉球電力公社が琉球列島米国民政府系の特殊法人として設立され、沖縄返還に伴う同県の再発足によって沖縄電力が同公社の事業を引き継ぐ形で設立されていることから、かつての九州配電区域は九州電力と沖縄電力の2社に事実上分割されている。
またこうした地域以外にも九州配電による給電が行われておらず、電気のない生活を送る地域が山間僻地や離島に点在していた[46]。こうした地域に給電が及ぶのは農山漁村電気導入促進法(1952年)や離島振興法(1953年)が公布された九州電力発足後のことである[46]。
脚注
参考文献
- 企業史
- その他文献
- 雑誌記事
- 深町純亮「幸袋工作所の百年:石炭と歩いた光芒の軌跡」『エネルギー史研究 : 石炭を中心として』第19号、九州大学石炭研究資料センター、2004年3月、141-171頁。
関連項目
注釈
- ^ 「逓信大臣は電気供給事業を営む者に対し配電株式会社の設立を命ずることを得、前項の命令に於ては配電株式会社と為るべきこと又は電気供給事業設備を出資すべきことを命ずることを得」、とある(「勅令第832号 配電統制令」NDLJP:2960893/3)
- ^ 両社とも指定の発電設備・送電設備・変電設備と配電区域内にあるすべての配電設備・需要者屋内設備・営業設備を出資すべきとされた。
- ^ 「逓信大臣は電気供給事業を営む者に対し配電株式会社への合併、事業の譲渡又は電気供給事業設備の出資を命ずることを得」、とある(「勅令第832号 配電統制令」NDLJP:2960893/3)
出典
- ^ a b 『九州地方電気事業史』770-771頁
- ^ 「勅令第832号 配電統制令」『官報』第4395号、1941年8月30日。NDLJP:2960893/3
- ^ 『九州配電株式会社十年史』52頁
- ^ a b c d e 「配電統制令第三条第二項の規定に依る配電株式会社設立命令に関する公告」『官報』第4413号、1941年9月20日。NDLJP:2960911/17
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 『九州地方電気事業史』341-343頁
- ^ 『九州地方電気事業史』357-358頁
- ^ a b c 『九州地方電気事業史』396-398頁
- ^ 『九州地方電気事業史』361-364頁
- ^ 『九州地方電気事業史』391-392頁
- ^ a b c 「政令 電気事業再編成令」『官報』号外第124号、1950年11月24日。NDLJP:2963709/10
- ^ 『九州地方電気事業史』424頁
- ^ a b 『九州地方電気事業史』2-3頁ほか
- ^ 『九州地方電気事業史』33-34頁
- ^ 『九州地方電気事業史』66-67頁
- ^ 『九州地方電気事業史』130-133頁
- ^ 『九州地方電気事業史』78-81頁
- ^ a b 『沖縄電力十五年史』3-7頁
- ^ a b 『九州地方電気事業史』179-206頁
- ^ a b 『九州地方電気事業史』275-307頁
- ^ a b 『九州地方電気事業史』254-258頁
- ^ a b 『九州地方電気事業史』333-334頁
- ^ 『九州地方電気事業史』340-343頁
- ^ a b c 『九州地方電気事業史』334-337頁
- ^ 『電気事業要覧』第31回60頁。NDLJP:1077029/42
- ^ 『九州地方電気事業史』798頁(年表)
- ^ 『東邦電力史』585頁
- ^ a b 『株式年鑑』昭和17年度617頁。NDLJP:1069958/316
- ^ 詳細は九州水力電気#供給区域一覧参照
- ^ a b 『株式年鑑』昭和17年度618頁。NDLJP:1069958/317
- ^ 詳細は熊本電気#供給区域参照
- ^ a b c 『株式年鑑』昭和17年度637頁。NDLJP:1069958/326
- ^ 詳細は日本水電#供給区域参照
- ^ a b c 『株式年鑑』昭和17年度612頁。NDLJP:1069958/314
- ^ 『東邦電力史』675-677頁
- ^ a b 『九州配電株式会社十年史』43頁
- ^ 「電力再構成の前進」『中外商業新報』1942年4月8日 - 18日連載。神戸大学附属図書館「新聞記事文庫」収録
- ^ a b c d 『電気事業要覧』第31回53-60頁。NDLJP:1077029/38
- ^ a b 『電気事業要覧』第30回631-641頁。NDLJP:1073660/346
- ^ a b 『電気事業要覧』第34回36-40頁。NDLJP:1900192/24
- ^ a b c 『西日本鉄道百年史』102-103頁
- ^ 『西日本鉄道百年史』105頁
- ^ 深町純亮「幸袋工作所の百年」
- ^ 『電気事業要覧』第35回17頁
- ^ 『電気事業要覧』第35回20頁
- ^ 『九州地方電気事業史』484-491・563-568頁
- ^ a b 『九州地方電気事業史』493-495頁
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